◆思い出すのも嫌なほど、辛く厳しかった秋季キャンプ

 その秋季キャンプで一番に思い出すのは、1988年のキャンプです。この年のシーズンオフ、山本浩二さんが監督に、大下剛史さんがヘッドコーチに就任され、2年連続で優勝を逃し3位に終わったチームの改革が、就任早々の秋季キャンプから行われました。このキャンプは思い出すのも嫌なほど、辛く厳しいものでした。

 朝早くから練習が始まり、アップとトレーニングだけで午前中が終わり、昼ご飯をかきこんで、午後からは実戦形式のチーム練習と個人個人の実技練習。宿舎での出来事を覚えていないほど、猛練習の日々が続きました。午前中は陸上部と勘違いされるほど、走って走っての繰り返し。もちろんベテランも若手も関係なく全員一緒のメニューでした。私も含めて多くの選手が、テーピングを巻いて走っていました。おそらくカープの歴史上、一番多くテーピングを使ったキャンプではないでしょうか。選手以上に大変だったのはトレーニングコーチです。選手の練習に付き添いながらマイクで球場全体に聞こえるように指示を出すのですが、その息遣いが常にしんどそうでしたから(苦笑)。

 もう一つ、キャンプの思い出話として記憶に残っているのは高代延博さんの言葉です。高代さんは秋季キャンプが始まる直前に日本ハムからトレードでカープに来られたのですが、広島に来る前に聞いていた厳しさとは遥かにレベルが違ったようで「練習が厳しいとは聞いていたけどなんやこれはぁ……」とよく言われていました(笑)。当時の高代さんは34歳。相当きつかったと思いますね。テーピングをグルグル巻いてミイラのような状態で練習されていました。

カープをより深く、より熱く。日本唯一の広島東洋カープ専門誌!
2026年3月下旬創刊決定!
ただいま新規定期購読 受付中!

【新雑誌 詳細はこちら】