目前に迫っているカープ日南キャンプ。昨季は野手陣の振り込みが大きな話題を呼んだが、今年も課題である得点力アップに向け厳しい練習が予想される。
猛練習で選手を鍛え上げるのがカープの伝統。ここでは、選手として5度のリーグ優勝、3度の日本一を経験したOB・山崎隆造氏がかつて明かしたキャンプの裏話を紹介する。(広島アスリートマガジン過去掲載記事を再編集)
◆オフ明けの自主トレでは走り込み。時間があればバットを振った
私がカープに入団した頃は 今のように2月1日の春季キャンプからチームの全体練習が始まるのではなく、1月前半の自主トレからチームで集まって練習をしていました。この自主トレが、とにかくしんどくてしんどくて(苦笑)。オフ明け1月の自主トレは、広島県総合グラウンドの野球場とトラックを使って、バンバン走り込まされたものです。
自主トレなんてのは名前だけで、練習内容はキャンプそのものです。言わば日南キャンプに行く前の〝第一次広島キャンプ〟だと思っていました(苦笑)。こういったコーチの指導の下で行う自主トレは1990年代途中まで続いたはずです。今は12月と1月はオフ期間ですが、昔はオフも短かったですね。シーズンが終わって、少ししたらすぐにチームでの練習が始まっていました。
当時のカープには山本浩二さん、衣笠祥雄さん、髙橋慶彦さんなど、そうそうたる野手のメンバーがいました。なかでも慶彦さんは練習の虫という表現がぴったりの人でした。コーチからどれだけ練習量を課されても、絶対にやり遂げていましたし、慶彦さんを見ていたら負けていられない、やらないといけないと感じたものです。私がスイッチヒッターの挑戦を始めた時は、慶彦さんを見習って、時間があればとにかくバットを振っていました。
この頃の一軍監督は古葉竹識さんでした。古葉監督時代は、特に秋季キャンプが厳しかった思い出があります。ベテランになると秋のキャンプは免除されるので、若い頃は、早くベテランになりたいと思ったものです(笑)。現役を引退し、指導者になって感じたことですが、やはり秋季キャンプのほうが、春のキャンプに比べて、選手を追い込みやすいんです。シーズン終了後に行われる秋の猛練習は、カープの伝統として、今も継続されているように思います。

