◆逆にサポーターに勇気づけられました

─変わらずコロナ禍が続いています。これまでのように気軽に飲みに行ったりできないような状況ですよね。

吉田 その通りですよね……、今も大変な状況であることに変わりはありません。ただピンチはチャンスではないですけど、コロナ禍という状況下の中でも何かしらやりようはあると思うんです。例えば飲食店などでも僕らは選ぶ側じゃないですか。それですごく店内を綺麗にしている、感染防止対策をきっちりやっているお店だと安心して足を運べます。だからコロナ禍であっても、流行っているところはものすごく流行っているんですよ。要は企業努力ですごく差がつきますし、それができないところは淘汰されていきます。そういう部分でサンフレッチェに限らずJリーグの全クラブチームが苦しいと思うんですけど、企業努力で一歩抜け出せるチャンスでもあるのかなと思いますね。

─浩司さんはアンバサダーという立場でもありますし、そういうチャンスを探し出すことも求められてきますよね。

浩司 いま(吉田)安孝さんが言われたように、ピンチをどれだけチャンスに変えていくことができるか、という考えを持たないと何も始まらないですよね。もちろん広報という目線で見ると、なかなか情報発信が難しい部分もあります。ただ新しい形の情報発信の方法を考えるチャンスという気はしていますし、努力を積み重ねることで、また新たなクラブ像を生み出すことができるのではないかと思っています。

─そういう中でカズさんがリーダーとなる形で、クラブ初のクラウドファンディングも実施されました。

カズ やるにあたって葛藤はありましたし『本当にやって良かったのか』という思いもありますけど、たくさんの方にご支援いただきました。コメントを見ても『サンフレッチェが生きがい』であるとか『絶対になくなってはならない』とか前向きな言葉ばかりで、逆にこちらが勇気づけられました。こちらが支援していただく立場なんですけど、僕の本当の目的は『今こそクラブとサポーターが一つになってこの難局を乗り越えていきたい』という思いで立ち上げたので、やるまでは大変でしたし、今も大変ですけど、やって良かったと思っています。