プロ4年目を迎えた今シーズン、開幕スタメン落ちとなった末包昇大。その悔しさを糧に4月上旬からチャンスに強い打撃を展開し、4番を任される試合も多くなった。今季、打線の軸となるべくバットを振り続ける末包が、シーズン序盤の好調の要因を振り返る。(全3回/第2回:取材は5月)
◆チャンスの方が、割り切って打席に入れている
─3・4月は非常に好調な成績を残されました。好調へつながるきっかけとなる打席があったのでしょうか?
「序盤は全体的に良くなってきたと自分でも感じていました。シーズン当初は左投手のときに起用されていたので、そこで結果を残すことができたのも良かったと思います。あと、初めて右の先発との対戦になったマツダ スタジアムでのDeNA戦(4月6日)で平良(拳太郎)さんからしっかりヒットを打つことができて(2安打1打点)、そこから左右関係なく使ってもらえるようになりました。そういう意味では、使ってもらえた序盤に結果を残すことが出来たことが大きかったと思います」
─得点圏打率がリーグトップを推移するなど、チャンスの場面での勝負強さが目立ちます。
「チャンスの方がもっと割り切れて打席に入れていますね。シンプルに2つくらいに考えを絞って、正直、三振OKくらいの考えで臨んでいます。もちろん得点圏にランナーがいる状況では厳しい球がたくさん来ます。それを全部追ってしまうと打ち取られてしまうので、しっかりと『こういう球が来たら打つ』と決めて『抑えられたら仕方がない』という意識でいることが良い結果につながっているのかもしれないですね」
─昨秋、今春のキャンプでは打撃陣の連日の振り込みが話題となりました。現在につながっている部分もありますか?
「そのおかげで良くなったと思います。そこだけにフォーカスされると困る部分もありますが、オフにいろんな方にも話を聞いてトレーニングをした中で、キャンプでたくさんバットを振る量をもらえたというのは、いろいろ試すことができる時間となったので、僕としてはプラスに働いて良かったなと思っています」
─ここまで、自身の打撃内容をどのように自己評価しますか?
「今のところは、どちらかというと結果も大事ですが内容を求めています。内容が悪くなると結果も悪くなるので、凡打した内容が良ければ『次の打席ではこういうアプローチでいけそうだな』だとか、自分に期待ができますからね。もちろん結果がほしいですが、空振りであっても『もし、ここでストレートが来ていたらホームランが打てていたかもな』と思えることもあるので、良い打席内容が増えていると思います」
(第3回に続く)