ついに大野寮への入寮を果たしたカープのルーキーたち。この企画では、ドラフト指名後に行った独占インタビューをもとに、チームに新風を吹き込む新入団選手の決意を紹介していく。今回は、ドラフト2位・森浦大輔投手をピックアップし、その魅力に迫る。

ドラフト2位でカープに入団した天理大・森浦大輔投手。即戦力左腕として、開幕一軍入りに期待がかかる。

◆捕手視点で贈られた、石原貴規からの貴重なアドバイス

 緩急を自在に操る技巧派投手として1年目から活躍が期待される、大卒左腕・森浦大輔。即戦力として、先発ローテ入りに期待がかかる。

「カープはファンの方々の熱さが印象的なチーム。じつは赤いユニフォームは野球人生で初めてなんです。赤でイメージするのは高校の時のライバルだった智弁学園高。これまでは競争相手という意識でしたが、カープに入ったからには赤のエネルギーを力を変えて頑張りたいです」

 2019年のドラフトでカープに入団した捕手・石原貴規は天理大の先輩で、大学時代はバッテリーを組むこともあった。カープへの入団が決まったあと、その石原から、プロ入りに向けていくつか助言をもらったという。

「石原さんからは、遠投はしっかりやっておいたほうがいいなど、トレーニング面についてアドバイスをもらいましたし、石原さんが一年間プロの投手を見てきて感じたことを、捕手の視点で話をしてくださいました。また、(大野)寮のご飯がとにかく美味しいと聞いたので、入寮後は食事面も楽しみです。石原さんは寮の食事のおかげで体重が増えたようなので、カープに来れば必ず体が大きくなるから安心しろと言われました」

 大学の4年間で、プロで上位指名されるまでの投手に成長を遂げた。磨きをかけたのは『実戦感覚』。試合で登板を重ねるごとに、森浦独自のマウンドさばきを身につけていった。

「試合でたくさん投げさせてもらえたので、その経験のおかげで、大事な試合でも落ち着いて投げることができ、自分の力を出せるようになりました。そういう意味では心の成長が大きかったと思います」

 球種で得意にしているのは120km台後半のチェンジアップ。そこに角度のあるストレートとキレのあるスライダー、カーブを織り混ぜて、打者を打ち取っていくのが森浦のピッチングスタイルだ。

「気持ちをボールに込めて投げるタイプですが、マウンドでは、“心は熱く頭は冷静に”を意識し、気持ちのメリハリをつけることも心がけています。打たれた試合は悔しいですが、引きずっていてはダメなので、落ち込まず、次はどうしたら抑えることができるかをしっかり考えるようにしています」

 託された背番号は「13」。リリーフ投手として活躍した左腕・菊地原毅(現二軍投手コーチ)などが身につけた番号を背に、開幕一軍入りを目指す。

「一日も早く、一軍でチームの勝利に貢献したいです。もちろん先発ローテを狙っていきたいですが、まずは与えられたところでアピールしていきたいと思います」

 コロナ禍で先行き不透明な期間も限られた時間のなかで密度の濃いトレーニングを重ね、プロ入りに向けて準備を重ねてきた。背番号13のさらなる成長に期待がかかる。

◆森浦大輔(もりうら だいすけ)
1998年6月15日生
22歳/左投左打
175cm・71kg
天理高ー天理大