◆気になる新助っ人クロンの状態は⁉︎

 

本人と話したとき、「自分はパワーヒッターではなく、率を残すアベレージタイプのバッターです」と言っていましたが、キャンプでの打撃練習で目立ったのは圧倒的なパワーです。

 シート打撃では、低い弾道のままセンターフェンスに直撃する打球を放ったり、引っ張るだけでなく逆方向にも強い打球を飛ばしていて、やっぱりパワーがあるなと感じました。昨年のカープは長打を打てる選手が打線に少なく、得点力不足に悩まされていましたが、その課題を解消してくれる選手だと感じています。順調にいけば、鈴木誠也選手と共にクリーンアップを任される存在になるのではないでしょうか。

 また、練習を見ていて感じたのは、来日1年目とは思えないチームへの溶け込み方ですね。チームメートとうまくコミュニケーションがとれており、なんの違和感もなくカープに馴染んでいる印象を受けました。バッティング練習では、鈴木誠也選手にアドバイスを求めたり、守備練習では、菊池涼介選手と一緒に特守を受けたりと、向上心の高さも感じました。おそらく、そのあたりは、エルドレッド(駐米スカウト)が、カープに在籍していた経験をもとに、良いアドバイスをしてくれているのかなと思いますね。

◆帰ってきた河田雄祐ヘッドコーチ

 

決して今までが明るくなかったわけではありませんが、河田コーチがヘッドコーチとしてカープに帰ってきたことで、今年はこれまで以上にチームが明るくなったように感じました。グラウンドの外から見ていて感じたので、実際に練習している選手は僕以上にそう感じたのではないかと思います。

 2016年に外野守備・走塁コーチとして復帰されたときもそうでしたが、河田コーチは、若手とベテランを区別することなく、良いことは良い、悪いことは悪いとはっきりと言葉で伝えてくださる方です。また、たとえ失敗しても「意識としては間違っていない。今のままでいいんだよ」と、ポジティブな言葉もかけてくださるので、選手にとっては背中を押してもらえる部分があるはずです。

 一度他球団のユニホームを着て外からカープを見てこられたので、一昨年、昨年とBクラスに甘んじたチームを客観的に分析されているはずですし、そういった話は選手にとって有益な情報になるはずです。技術面、精神面など、さまざまな面から考えても、河田コーチがカープに帰ってこられたことはプラスだと思いますし、今季、チームがどう変わっていくか、個人的にとても楽しみです。