残留が決まったペレイラ。「能力を考えれば20得点は狙える」と吉田氏も太鼓判を押す。

 12月にシーズンが終了したかと思いきや、毎年のことですが選手の活発な移籍などで、すでに20年シーズンに向けた準備が着々と進んでいます。前年の課題を解消するための方法として、最も単純で分かりやすいものは『新戦力の補強』が挙げられます。今回も新加入のエゼキエウや、期限移籍から復帰した茶島雄介などの新戦力がチームに加入しますが、最も大きいのはペレイラ、ハイネル、ヴィエイラのブラジル人3人トリオが残留したことです。特にペレイラが今季開幕からチームにいるということは、非常に心強いです。19年は試合数も少なく、コンディションも万全ではない中でやっていたにも関わらず、あれだけのプレーを見せてくれていたのです。思えば19年最終節の仙台戦(○1ー0)でも3人が中心となって得点を奪っていました。20年はよりチームにアジャストしたプレーを見せてくれるのではと期待しています。

 正直20年に関していえば、前線は外国人選手をメインに据えて戦っていきたいところですが、決して日本人に期待していないわけではありません。個人的には新加入の茶島に期待しています。15年のクラブW杯で見せた素晴らしいプレーを忘れられないサポーターの方も数多くいらっしゃるのではないでしょうか? 移籍先での経験を存分に生かし、さらに進化した姿を見せつけてほしいと思っています。

 昨季のチームを見ていると、堅実な守備でペースをつくり、そこから崩していくという形自体はできていました。問題はその後のフィニッシュです。シーズン終了後の会見で城福監督も言っていましたがそこに型にはまらない『アドリブ』、独創的なアイディアを加えたプレーを期待したいところです。そうしたプレーは決して一朝一夕で身に付くものではありませんし、その役割を茶島一人に負わせるわけではありませんが、これまでのサンフレッチェの攻撃になかった新しいリズムを吹き込む活躍を見てみたいです。

▼ 吉田安孝(よしだ やすたか)
1966年11月22日生。広島県出身。元サンフレッチェDF。現在は広島テレビ「進め! スポーツ元気丸」などのサッカーコメンテーターとして活躍中。