◆山本翔以降は長らく捕手の番号として定着

 2002年からは捕手の山本翔がつけ、彼の9シーズンは現在までこの番号の最長記録であるとともに、彼以降しばらくは『61』は捕手の背番号として認知されるようになった。

 山本翔の引退の後、2011年にこの番号を引き継いだのが磯村嘉孝。中京大中京高時代には1学年上の堂林翔太とバッテリーを組み、夏の甲子園で同校7度目となる全国優勝を果たした。同校は優勝回数で広島商業高と並んでいたが、この優勝で単独1位となっている。

 磯村は2010年ドラフト5位で入団し、2012年に1試合ながらスタメン出場。10代でのスタメンは、カープの捕手では小畑幸司以来19年ぶりのことだった。石原慶幸、會澤翼という強力なライバルがいるなか、背番号を『40』に変更した2016年からは徐々に出場回数を増やしている。2019年からは打撃面での成長も見られ、キャリアハイとなる65試合に出場。今季こそ本格的に正捕手争いに加わりたいところだ。

 この後を引き継いだのが坂倉将吾で、強打の日大三高から2016年にドラフト4位指名を受け入団。1年目から非凡な才能を発揮し、二軍では規定打席に到達。リーグ2位の打率(.298)をマークし、ウエスタン・リーグ優勝に貢献した。またファーム日本選手権でも本塁打を放つなど活躍。二軍チームを初の日本一に導くのと同時に、自身もMVPを獲得している。

 また高卒野手でありながら、3試合とはいえ1年目から一軍公式戦への出場を果たした。2年目の2018年も打率.329、4本塁打という好成績を残している。翌2019年には丸佳浩がFA移籍したこともあり、外野手にも挑戦。持ち前の打撃力を武器に51試合に出場した。

 2020年からは再び捕手一本に絞り、春季キャンプからの調整を経て會澤翼を上回る81試合に出場。今季からは石原慶幸が背負っていた背番号『31』を継承し、真の正捕手を目指す。