今季、ケガからの完全復活を目指す宇草孔基選手。

◆早く治ってくれと願いながら練習しています

 昨年の後半戦に一軍デビューした宇草孔基。10月6日に一軍昇格すると、その日の試合で「1番・レフト」で出場。昇格即、スタメンで起用されると3打数1安打1四球。待ち望んだ舞台で快調なスタートを切った。

「手応えではないですが、一軍の試合に出させてもらい、一流選手と一緒に野球ができたことはいい経験になりました」

 デビュー戦以降は、7試合連続で1番打者として起用されるなど、持ち味の俊足巧打を武器に持ち味を発揮した。そして、球界を代表する一軍投手との対戦は、宇草にとって成長のエンジンとなった。

「素直にレベルの高さを感じました。一軍の試合を経験して、こういうボールを打てるようになりたい、こんなバッティングがしたいと思うことが多かったので、そのレベルまで高めていきたいと思います」

 10月10日のヤクルト戦(マツダスタジアム)では、同期入団の森下暢仁と共にお立ち台に上がった。この日、森下は6回無失点で8勝目をあげ、宇草は2点タイムリーを放つ活躍。ルーキー2人の活躍がチームの勝利を引き寄せた印象的な試合だった。同期入団の森下について宇草はこう話す。

「ほんと誰が見てもすごいですよね。とにかく気持ちが強い選手です。(顔つきは)可愛らしくて、男前でもありますが、気持ちが強い選手なので、見ていて勇気をもらいます。一軍の舞台で、もっと一緒に活躍したいといつも思っています」

 昨季の宇草は巡ってきたチャンスを活かし、1軍で13試合に出場し11安打。右腓骨(ひこつ)骨折というアクシデントがなければ、さらに多くの安打を記録していたはずだ。

「(手術以降)毎日“早くくっつけ”と願いながら、リハビリを続けてきました。キャンプでもみんなが思い切って野球をやっているなか、僕はまだリハビリ段階。思うようにできていないもどかしさはありますが、できることに集中して、早く治ってくれと願いながら練習しています」

 右足が完治せず、春季キャンプでは別メニュー調整を余儀なくされたが、宇草は前を向き、練習に取り組んでいる。

「万全になった時にレベルアップしていけるように、今はできることをやっています。ファンのみなさんに忘れられないように、早くケガを治して、いいニュースを届けたいですね」

 佐々岡監督1年目に入団した、カープの次世代を担う外野手。同年代の活躍も刺激に変えながら、今季、ケガからの完全復活を目指していく。