カープがホームゲームで今季初勝利を収めた。昨季は2013年以来7年ぶりにホームで負け越し。後半戦で巻き返したとはいえ、結果的に貯金生活に転じることができず、ここでの借金がそのままチーム成績にも表れる形となった。

プロ初登板を果たした栗林良吏投手が初セーブをマークした。

 球団史上初のクライマックス・シリーズ進出を果たした2013年以降、昨シーズンまでのホームゲームの成績は、以下の通りだ。

2020年 5位<ホーム/25勝27敗8分>
2019年 4位<ホーム/39勝32敗1分>
2018年 1位<ホーム/45勝25敗2分>
2017年 1位<ホーム/50勝20敗1分>
2016年 1位<ホーム/51勝20敗1分>
2015年 4位<ホーム/37勝32敗2分>
2014年 3位<ホーム/42勝29敗1分>
2013年 3位<ホーム/34勝37敗1分>

 黒田博樹、新井貴浩が復帰し、優勝への機運が一気に高まった2015年以降、年間入場者数が200万人を突破するなど、マツダスタジアムのチケットはプラチナ化の一途をたどった。連日マツダスタジアムは真っ赤に染まり、相手チームにはその大声援が大きなプレッシャーとなっていたに違いない。

 ファンの大きな後押しを受け、カープは数年にわたって快進撃を見せた。そして近年の好成績を支えたのが、ホームゲームの勝率の高さといっても過言ではない。

 それは数字にも如実に現れており、リーグ3連覇を果たした2016年からの3年間はホームゲームで大幅に貯金を上積みした。2016年の貯金31に始まり、2017年は貯金30。2018年はやや数字を落としたとはいえ、本拠地で貯金20の積み上げに成功した。マツダスタジアムがオープンした2009年からの5年間で勝ち越しが一度だけ(2012年の33勝32敗)ということを考えれば、3連覇中の数字がいかに突出したものであるかが分かる。

 ホームの勝率とシーズンの成績が完全にリンクするわけではないが、マツダスタジアムでの勝率の高さがカープの強さを後押ししていたことは間違いない。2019年は開幕から5カード連続で負け越しという、球団史上最大の失速からのスタートとなった。今季は過去2シーズンの反省を活かし、序盤戦からホームゲームで貯金を積み重ねたい。