◆野手の新人王は1984年の小早川毅彦以来

 2007年からは、前年のルーキーイヤーに37年ぶりに新人で開幕スタメンに入り、球団の新人最多安打記録を更新して新人王を獲得した梵英心が『32』から『6』に“躍進”。2010年には初の3割を達成したのみならず、43盗塁を記録しカープでは1997年の緒方孝市以来となる盗塁王に輝いている。自身初のゴールデン・グラブ賞も獲得するなど、大当たりの年となった。

 11シーズンを背番号『6』とともに過ごした梵は、2017年限りでカープを退団。以降は社会人野球エイジェックで選手兼任コーチとしてプレーし、2019年に選手を引退。2020年はJFE西日本硬式野球部のコーチを務め、2021年からはオリックス・バファローズの一軍打撃コーチに就任している。

 その後を受け、2008年から10年間着けた『60』から、2018年に10分の1の『6』になったのが安部友裕。3連覇の主要メンバーである野村祐輔、菊池涼介、田中広輔ら1989年度組の中でも最も早くからプロ入りを果たしていたが、長い下積みを経てライバルたちを猛追。課題だった守備を向上させると、チームがリーグ優勝を果たした2016年には出場試合数が飛躍的に増加した。

 2017年は自らに発破をかける“覇気”の合言葉と、気合いのプレーで活躍。時には5番も打つなど、首脳陣からの期待に応えた上で初の規定打席に到達。到達者ではチームトップの打率.310をマークするなど、自己最高の成績を記録した。

 昨年は堂林翔太にポジションを奪われ、一軍での試合数は26試合と激減。ブレイク直前の2015年と同じ試合数でシーズンを終えてしまった。まだまだ老け込むには早すぎるだけに、スタメン復帰を期に再度のブレイクに期待がかかっている。

 1984年に小早川が着けてからは持ち主の入れ替わりが少なく、安定した選手の番号というイメージがついてきた背番号『6』。この番号では今年で4年目となる安部の今後は、果たして?

【背番号『6』を背負った主なカープ選手】
川原政数(捕手/1955年-1964年)
今津光男(内野手/1966年-1973年)
ホプキンス(内野手/1975年-1976年)
ライトル(外野手/1977年-1982年)
小早川毅彦(内野手/1984年-1996年)
浅井樹(外野手/1997年-2006年)
梵英心(内野手/2007年-2017年)
安部友裕(内野手/2018年-)
※初めて背番号を付けたシーズンのポジションを表記。