2019年2月に左肘のトミー・ジョン手術を受けた高橋昂也。1年以上にも及ぶ長いリハビリを経て、昨年9月に実戦復帰すると、今シーズン、1031日ぶりに一軍白星を挙げた。次世代のカープを担う期待の左腕として背番号34にかかる期待は大きい。手術からの完全復活を目指す今シーズンに懸ける思いに迫った。

 

◆キャンプの状態を見て、フォームを微修正。それが実戦での結果につながった

――まず左肘の状態から伺います。一昨年に左肘を手術されましたが状態はいかがですか?

「順調に回復しています。手術をする前と後で野球に対する考え方も変わりましたし、手術をきっかけに成長できた部分も数多くあります。ピッチングにおいても、納得のいく投球ができるようになってきているのは大きいですね」

――野球に対する考え方については、どんな変化がありましたか?

「左肘をはじめとした体のケアに関して、人一倍やらないといけないと考えるようになりましたし、ケアやエクササイズの方法などについても、これまで以上に興味を持つようになりました。もう二度とケガはしたくないので、そこは強く意識して取り組むようになりました」

――手術後はテークバックを修正するなど、左肘にかかる負担を考慮して、投球フォームを変更されました。新しいフォームの手応えは感じていますか?

「そうですね。肘への負担を少なくし安定感のあるフォームを目指して取り組んでいくなかで今の投げ方にたどりつきました。感触としては、以前のフォームと比べて投げた後の負担が軽減されていますし、制球の面でも手応えを感じています。今年の3月、4月の試合で投げた時もしっかりと制球できていたので、新しいフォームをより良いものに進化させていきたいと思っています」

――フォーム変更をする際、参考にされた投手はいますか?

「誰を参考にしたというのはいないのですが、いろいろな情報をもとに、まずは自分の頭の中でこういうフォームで投げたいというイメージを描きました。あとは投げながら、当時三軍の投手コーチだった小林(幹英)コーチ(現二軍投手コーチ)にもアドバイスをいただきながらフォームをつくり上げていきました」

――昨秋のフェニックス・リーグでの活躍が評価され、春季キャンプは一軍スタートでした。どんなテーマを持ってキャンプに臨まれましたか?

「一番は球速を上げることを意識して取り組みました。あとはとにかく実戦形式の練習で結果を出すことにこだわってキャンプに入りました。結果的には、キャンプ序盤で(打球が当たる)アクシデントで離脱してしまいましたが、自分の納得のいく球はなかなか投げることができていませんでした。なので、キャンプの状態を踏まえて、少しフォームを見直しました。それが、3月以降の実戦での結果につながったのかなと思います」