プロ初勝利は逃したものの、プロ2年目の玉村昇悟が2戦目の登板でも及第点以上の内容を残してみせた。チーム成績は伸び悩んでいるものの、今季のカープ投手陣は昨季までと比べ安定感を増している。4月16日に出場選手登録を抹消された大瀬良大地も、すでに投球練習を再開。巻き返しを図る上で、投手陣に限ってはピースが揃いつつある。

江夏豊に続き、史上2人目となる先発100勝100セーブを達成した佐々岡真司・現一軍監督。

 カープの長きにわたる歴史の中では、いつの時代も各球団のライバルたちと息詰まる投手戦を演じ、数多くの勝利をもたらしてきたエースたちが存在する。ここでは主に平成以降にスポットを当て、チームの大黒柱である日本人エースの軌跡を振り返る。

◆驚異のタフネス右腕・佐々岡真司
<通算成績:570試合 138勝153敗106S 防御率3.58>

 プロ1年目の1990年からエースナンバーを背負い、先発、抑えでフル回転。離脱が少なく、2007年の引退まで全ての年で勝利を記録した。先発100勝、100セーブは江夏豊以来史上2人目の大記録。先発のみに専念すれば200勝到達は確実と言われた平成屈指の大エースだ。今シーズンからは監督という立場で、後輩にエース魂を注入している。

◆ミスター完投の漢気右腕・黒田博樹
<日米通算成績:533試合 203勝184敗1S 防御率3.51>

 通算6度の最多完投を誇る“ミスター完投”は、低迷期の2000年代の投手陣を気迫溢れる投球で牽引した。2007年オフに米大リーグに移籍したが、2014年オフにカープに電撃復帰する“漢気”を見せた。投手陣の精神的支柱として2016年、チームに25年ぶりの優勝をもたらし、同年現役を引退。現役時代の背番号15は、山本浩二(8)、衣笠祥雄(3)に次ぐ永久欠番となった。