若手選手の活躍が目立つカープ。ここでは、OBの大野豊氏が、若い投手・捕手が心がけるべきポイントを解説。後半戦の投手陣のキーマンと共に独自目線でチーム状況に迫っていく。

坂倉将吾選手や中村奨成選手など、若手捕手が、一軍での経験を通して成長することでチーム力は高まる。

◆若いバッテリーの成長に期待

 5月上旬に登録抹消され、二軍で調整していたベテランの會澤翼がようやく一軍に戻ってきたかと思ったら再度離脱。會澤不在の間は、坂倉将吾や石原貴規、中村奨成といった若い捕手がマスクをかぶっていましたが、安定感を考えると會澤の存在はとび抜けています。7月以降の戦いで巻き返しを図るチームにとって、會澤離脱は、痛すぎるアクシデントと言えるでしょう。

 野球界では、若い投手を育てるのは捕手の役割で、逆に捕手が若ければ実績のある投手が捕手を育てると言われることが多いです。そう考えると、會澤の不在は、投手陣にも少なからず影響があったのではないかと思います。

 いずれにしてもバッテリーに大切なのはコミュニケーションです。投手は捕手のサインだけを信用するのではなく、投手自身も意図を持って投げる必要があります。意図と違っていたら首を振る覚悟も必要ですし、サインに頷いた以上は気持ちを切り替えてしっかり投げないといけません。そのうえで、ベンチに戻って投手と捕手で意見交換をしてほしいと思います。

 カープには若い投手・捕手が多いので、もちろんガムシャラさも大事ですが、結果をもとに振り返ることも大切にしていってもらいたいですね。

 また、夏場以降の巻き返しに向けて、投手陣のキーマンを挙げるなら、投手キャプテンの大瀬良大地でしょう。6月1日の日本ハム戦(マツダスタジアム)は、登板間隔が空いたことで調整が難しかったのか4回6失点で降板してしまいましたが、6月8日のソフトバンク戦(PayPayドーム)は7回1失点としっかりと先発の役目を果たしてくれました。もちろん大瀬良一人の力ではダメですが、エースの姿がチームに与える影響は大きいだけに、大瀬良には先発ローテを守ったうえでチームを勝利に導く活躍を期待したいところです。