6月26日の中日戦で今季初安打を放った上本崇司選手。

 守備固めや代走の切り札など、ここ数年、ユーティリティープレーヤーとして貢献してきた上本崇司。昨季はそれまでの通算安打を上回る11安打を放ち、2013年以来となる打点を記録するなど、打撃でも存在感を示した一年となった。

 今季も順当に開幕一軍入りを果たしたが、途中出場した3月30日の阪神戦(マツダスタジアム)で負傷交代。二軍調整を余儀なくされた。

「今はコンディションを上げることを意識しています。一軍では、守備や走塁で起用されることが多いので、それを見越して、一軍の戦力になれるように準備をしていきたいと思っています」

 チームには若い選手が増えた。それだけにムードメーカーでもある上本の存在は大きい。若い選手とコミュニケーションをとり、若手とベテランをつなげる架け橋の役目を果たしている。

「自然体で話すようにしています。若い選手から刺激を受ける部分もありますが、プロは結果が全てなので。年齢は関係なく自分の持ち味をアピールしていくことはこれまでと変わりません」

 二軍の試合では、打席数は少ないながらも3割後半の打率をキープ。守備や走塁においても堅実なプレーでチームに安定感をもたらしてきた。

「チームから求められているところでしっかりと結果を出せるように、二軍でしっかり練習してコンディションを整えておきたいと思います」

 そんな上本に再昇格の連絡があったのは6月中旬。一軍に合流すると、6月26日の中日戦(マツダスタジアム)では、途中出場ながら2安打。今季初安打をマークしチームの連敗ストップに貢献した。内野も外野もこなす上本のユーティリティー性、そして献身性は、チームの勝利を後押しする大きな要素となる。優勝の味を知る上本が、苦戦が続くチームに新たなスパイスを加えてくれることを期待したい。