開幕から3ヶ月経つが、カープの守護神・栗林良吏の勢いが止まらない。6月27日の中日戦(マツダスタジアム)では同点の9回に登板し、堂上直倫、阿部寿樹、桂依央利の3人を三者連続三振でしとめ、無失点で切り抜けた。
堂上は変化球2球で追い込むと、最後は直球で空振り三振。阿部も1ボールから3球連続ストライクで三振。桂もストライク先行の投球で最後は決め球フォークで空振り三振に。重圧のかかる場面でもボールが先行しない制球力も、栗林が守護神として安定した投球を続けている理由の一つだ。
制球同様に変わらないのが登板の儀式。グラウンドに出ると白線の前で立ち止まりお辞儀をしてマウンドへ向かう。
「大学、社会人とやってきた自分のスタイルなので、それはカープの一員になってからも変わずにやっていきたいと思っています」
お辞儀をする際、栗林は心の中で、ある言葉をマウンドに届けるという。
「“お願いします。抑えさせてください”と神頼みをしています」
開幕から守護神に抜擢されると、圧倒的な活躍でチームの勝利に貢献を続ける右腕。野球をやらせてもらっている感謝の気持ちを忘れない栗林の姿に、野球の神様も味方をしてくれているのかもしれない。
「キャンプが始まるまでは、開幕一軍に入り、1年間一軍でプレーすることが目標でしたが、いまは、1年間、守護神としてやっていく目標も加えています」
チームトップタイの28試合に登板し、14Sをあげて防御率は驚異の0.65。安定感抜群の鯉の守護神の勢いはまだまだ止まりそうにない。