6月30日の巨人戦でチームトップの6勝目を挙げた九里亜蓮投手。

 新型コロナウイルス陽性判定を受け一時離脱したものの、開幕から先発ローテの一員として活躍を続ける九里亜蓮。復帰後3試合目の登板となった6月30日の巨人戦(東京ドーム)で8回途中まで無失点、124球の熱投をみせ、チームトップの6勝目を挙げた。

 初回、無死一、二塁のピンチを招くも、丸佳浩を併殺網にかけるなど無失点で切り抜けると、2回以降は、持ち味のストライクゾーンの中で勝負する“攻める投球”を披露。バッテリーを組んだ磯村嘉孝との相性も良く、前日2ケタ得点をあげた好調巨人打線を翻弄。奪った三振は一つながらも凡打の山を築き、巨人に流れを渡さなかった。

 九里の熱投に応えたい打線は、6月にメジャーから復帰した山口俊を相手に7回までゼロ行進。手に汗握る投手戦の均衡を破ったのは、3試合連続でスタメン出場した野間峻祥。8回1死で打席に入ると、山口の108球目の速球を捉えライトスタンドへの本塁打。うれしい今季第1号は、山口のノーヒットピッチングを打ち砕く価値ある一発となった。

 この1点を、バード、栗林良吏の継投で守り切り、九里は、5月19日の巨人戦(東京ドーム)以来、約1ヶ月半ぶりの白星を手にした。

 「後輩も増えてきているので、引っ張っていけるような存在になりたい。そして、一番はチームを勝ちに導けるような投球を続けていきたいと思っています」

 6月29日に登板した大瀬良大地をはじめ、先発陣が序盤で降板する試合が続いていただけに、先発投手のお手本となるようなピッチング。九里自身も6月16日の復帰登板以降、2試合続けて不本意な結果に終わっていただけに、その悔しさを払拭する登板となった。