7月4日の阪神戦で今季5勝目をあげた森下暢仁投手。

 7月4日の阪神戦(マツダスタジアム)、カープが首位・阪神との接戦を制し、このカードの勝ち越しを決めた。

 カープ先発は今季12試合目の登板となった森下暢仁。初回、この試合の1球目を、阪神の1番近本光司に捉えられ三塁打を許すと、2番糸原健斗の内野ゴロの間に先制を許した。3回には3試合ぶりのスタメン出場となったサンズに14号2ランを浴びるなど、序盤で3失点。不安定な立ち上がりとなった。

 4回以降も毎回のようにランナーを背負う苦しいピッチングとなったが、大量失点を喫しないのが森下の持ち味。4回は1死二、三塁、5回は無死満塁のピンチを招くも、落ち着いて後続を抑え、阪神に追加点を与えなかった。

 勝負所では、低めに力強い球を投げ込み打者を圧倒する、今季の森下を象徴する粘り強い投球。なかでも印象的だったのは、4回の梅野隆太郎、5回の佐藤輝明との対戦だ。

 4回1死二、三塁で打席に迎えた梅野は、150kmを超える直球で追い込むと、最後は低めの速球で浅いライトフライに打ち取り、三塁走者の生還を阻止。得点圏打率3割後半の梅野を力でねじ伏せた。5回1死満塁で迎えた佐藤には、徹底的にインコースを突く強気の投球。フルカウントまで粘られるも、最後の球もしっかりと内角の厳しいコースに投げ込み空振り三振にしとめた。

 走者がいる場面といない場面でギアチェンジを効果的にこなし、6回を3失点。森下が最小失点で切り抜けたことで、チームは5回に坂倉将吾のタイムリーで逆転。その1点のリードを、フランスア、コルニエル、栗林良吏のリレーで守りきった。

「先発として投げて勝つことが求められていると思いますし、勝ち星が、自分にとってもチームにとっても良い影響をもたらしてくれると思っています」

 新型コロナウイルスの濃厚接触者と判定され離脱した期間もあったが、開幕から先発ローテを守る2年目の森下が示した、先発投手の見本ともいえる試合をつくるピッチング。この試合でもQS(クオリティ・スタート)を達成し、これで12試合のうち11試合でQSを記録。エースの風格が漂いつつある背番号18の今後の投球から目が離せない。