カープ・長野久義選手。

 8月4日にマツダスタジアムで行われた西武とのエキシビジョンマッチ。長野久義が2打席連続本塁打を含む2安打3打点の活躍で勝利の立役者となった。

 2点ビハインドで迎えた3回、松山竜平の二塁打で1点を返すと、続く長野が、前半戦7勝の右腕・松本航の変化球を左翼席に叩きこんだ。初球から積極的に振っていく長野の持ち味が出た見事な一打。続く6回には、左腕・ダーモディから2打席連続となる本塁打を左中間スタンドへ放ち、後半戦に向けて順調な仕上がりをアピールした。

 外野の主力として期待されていた長野だが、前半戦は40試合のみの出場にとどまり、打率.210、17安打、2本塁打、8打点。5月は無安打に終わり、新型コロナウイルスの陽性判定を受けるなどアクシデントにも見舞われた。チームはBクラスに沈み、最年長選手として責任を感じていたはずだ。

 ただ夏場に強いのが長野の魅力。昨季も10本塁打を8月以降に放ち38打点をあげた。後半戦のスタートは8月13日の阪神戦(京セラドーム大阪)。得意の季節が巡ってくるだけに自然と期待も高まる。

 チーム打率はリーグ2位の.261にも関わらず得点が少ないのは、長打が少ないことも要因の一つ。レギュラーで試合の流れを変える長打を期待できるのは鈴木誠也、西川龍馬。長野や松山といったベテランの調子が戻ってくれば、相手投手に与える重圧も大きくなり、得点も増えていくはずだ。

 小園海斗や林晃汰など、若い選手の状態は上がってきたが、上位を目指すのであれば、主力選手の復調は欠かせない。チーム最年長の長野が打てばチームのカンフル剤にもなるだけに、後半戦の活躍に期待がかかる。