春季キャンプで栗林良吏投手(左)にアドバイスを送る會澤翼選手。

 8月29日に行われた阪神戦(マツダスタジアム)、カープが5対0で勝利し阪神3連戦に3連勝。連勝を4に伸ばし4位に浮上した。この試合、ケガで離脱中だった會澤翼が2ヶ月半ぶりに一軍に復帰。攻守において存在感を示し、勝利に貢献した。

 復帰戦は先発マスクで出場。5月27日以来の一軍登板となった床田寛樹を巧みにリードし、3月31日以来の2勝目を後押しした。

 打っては第1打席で右中間二塁打。阪神先発・秋山拓巳の甘く入った初球を迷うことなく振り切り、バットでも復調をアピールした。

 會澤は、6月15日の西武戦(マツダスタジアム)で左脚を負傷。東京五輪のメンバーに選ばれながら無念の離脱となった。そこから長いリハビリを経て、8月19日の二軍戦(ソフトバンク戦)で実戦復帰。約1週間後の29日に一軍に合流し、完封勝利を演出した。

「會澤不在の期間は、坂倉将吾や石原貴規がマスクをかぶってきましたが、安定感を考えると會澤の存在はやはりとび抜けていると思います。野球界では、若い投手を育てるのは捕手の役割と言われることが多いです。現在、一軍投手陣は若い投手が多いだけに、會澤の不在は、投手陣にも少なからず影響があったのではないかと思います」

 カープOBの大野豊氏が話すように、経験豊富な會澤が戻ってきたことは、投手陣にとっても捕手陣にとってもメリットは大きい。この日先発した床田はもちろん、リリーフとして登板した塹江敦哉も、1イニングに2三振を奪い三者凡退に抑える投球をみせるなど、セットアッパーとして活躍した昨年の投球を彷彿とさせる姿をみせた。

 後半戦も苦しい戦いが続いていたが、ここにきてチームは4連勝。接戦を勝ち切るなど、粘り強い戦いが続いているだけに、今後の戦いに期待がふくらむ。若手とベテランが融合を果たし、徐々に戦力が整いつつあるカープ。逆転のAクラス入りに向けて、負けられない戦いが続いていく。