昨季、キャリアハイの打撃成績を残したが、今季は打率が1割台に低迷。出場機会が減ったことで6月下旬に二軍降格となった堂林翔太。二軍では別格の存在は放ち、8月20日に一軍再昇格を果たすが、13試合に出場し放った安打はわずかに2本。9月9日に再度二軍での調整が決まった。

 この壁を乗り越えるために、もう一度、二軍であがく日々を送る背番号7。逆境に陥っても大好きな野球に対して真摯に向き合い決して諦めない堂林が、真夏の7月下旬に話していた言葉を再収録する。

一軍再昇格を目指し二軍で調整を続ける堂林翔太選手。

◆ここにいるべきではない背番号7の決意

─二軍合流以降、打撃で改善できた部分について教えてください。

「やっと試合の中で自分のスイングができてきた感覚があるので、良い方向に向かっているんだろうと思います。打席の中で、球を見すぎてしまい、バットが出ないときは状態が悪いときです。今は、思い切って打ちにいき、しっかりとスイングができているので、ようやく投手と勝負できるところまできたのかなと思っています」

─数字でも結果が出ています。

「結果が残るのは良いことですが、アウトになっても打席の内容が良くなってきているので、これを続けていかないといけません。コーチから見た印象と自分の感覚を合わせながら調整しています」

─6月の一軍の試合で打席に立ったのはわずか5回でした。その影響はありましたか?

「それはありません。バッティングの波は誰にでもあるので、その波をどれだけ少なくするかが大事になってきます。開幕から試合に出させてもらいながら、そこで打てなかった自分が悪いですし、だからこそ今二軍にいます。ここでもう一度、自分の打撃を見つめ直そうと思い練習を重ねています」

─由宇球場での経験は堂林選手にどんな影響を与えていますか?

「カープに入団して今年で12年目ですが、僕はどちらかというと、一軍よりも由宇での時間のほうが長い選手です。今ももちろん悔しい気持ちで一杯ですが、若い頃も一軍に上がれない悔しさを忘れることなくプレーしてきました。この場所があるからこそ、今の自分があるのは間違いないですし、一方で、由宇は〝いるべき場所ではない〟とも思っています。一日も早く一軍に上がれるように、悔しさを忘れることなく日々を過ごしたいと思います。とにかく結果を出し続けるしかありません」

◆プロフィール
堂林翔太 7
■どうばやし・しょうた ■1991年8月17日生(30歳)■183cm/92kg   
■右投右打/内野手 ■愛知県出身 ■中京大中京高-広島(2009年ドラフト2位)