すでに今季限りでの引退を発表していた西武の松坂大輔が、10月19日に引退試合で現役最後の登板を迎えた。

 松坂は横浜高時代、1998年に甲子園で春夏連覇を達成し、一躍時の人のとなった。その後西武のエースとして活躍し、メジャーでもプレー。WBC日本代表として二度の世界一にも貢献するなど、世代のトップを走り続けてきた。同学年のライバルたちはいつしか「松坂世代」と呼ばれ、数多くの選手がプロ野球の世界でプレーしてきた。

 カープのユニホームを着てプレーした松坂世代選手は、これまで合計10名が在籍。ここでは、カープでプレーした松坂世代選手を振り返っていく。

球団記録の通算165セーブをマークした永川勝浩(現カープ一軍投手コーチ)

◆松坂と同期入団で長年活躍した東出輝裕

 最初は松坂大輔が西武に入団した1998年ドラフト。この年カープはドラフト1位で敦賀気比高の東出輝裕を指名し、2位で井生崇光(東筑高)、3位・矢野修平(高鍋高)、7位・酒井大輔(春日丘高)と4人の高卒“松坂世代”を指名した。

 1位指名の東出輝裕はルーキーイヤーから一軍で53安打を放つと、翌年からショートに抜擢される。その後出場機会を減らすも、2006年にセカンドのポジションを奪うと長年内野のリーダーとして活躍。2008、2009年にはベストナインに輝いた。2013年のキャンプ時に左膝を故障して以降は一軍でのプレー機会はなく、2015年限りで現役引退。その後は打撃コーチとして若手育成に尽力している。

◆通算165セーブを挙げた守護神・永川勝浩

 松坂世代の大卒組が多く指名された2002年ドラフトでは、永川勝浩(亜細亜大)が自由獲得枠で入団し、4巡目で鞘師智也(東海大)が入団した。永川はルーキーイヤーから25セーブをマークする活躍を見せると、2006年〜2009年は守護神として活躍。以降は故障に泣いた時期もあったが、中継ぎとして長年ブルペンを支え、2019年限りで現役引退。通算165セーブは球団記録だ。

 また鞘師は2010年までプレーし、通算5安打と活躍できずに引退。その後スカウトに転身し、近畿地区の有望選手獲得に尽力している。

 2005年のドラフトでは、大学生・社会人ドラフトで梵英心(日産自動車)、飯田宏行(米ツインズ1A)を指名。25歳でのプロ入りとなった梵は、ルーキーイヤーからショートのレギュラーに定着すると、新人王を獲得。2010年には打率3割を達成し、43盗塁で盗塁王、ゴールデン・グラブ賞を受賞する活躍を見せた。2017年限りで退団後は、社会人野球でのプレーなどを経て、現在はパ・リーグで優勝争いを繰り広げるオリックスの一軍打撃コーチを務めている。

 移籍組では2選手が在籍しており、2008年に横浜(現DeNA)から木村昇吾、2012年に西武から江草仁貴が入団。木村はユーティリティープレーヤーとして活躍し、2015年までプレー。西武で現役引退後はクリケットへ転向した。広島出身の江草は主に中継ぎとして2017年までプレーした。