今季カープは3年連続Bクラスとなる4位に終わった。苦戦を強いられる中で、野手では小園海斗、林晃汰など多くの若手選手が躍動した。一方の投手陣を見てもストッパーに抜擢した栗林良吏をはじめ、森浦大輔、大道温貴のルーキー3投手や、高卒2年目の玉村昇悟などが一軍で多くの登板機会を得た。

 今シーズンの若手起用について、カープOBの大野豊氏の見解を聞いた。

苦戦の中で多くの若手を起用した佐々岡監督。

◆まだまだ安定感に欠ける部分が多い

 今季の野手陣を見渡すと、コロナ禍で主力打者に離脱が相次いでしまったという状況や田中広輔の不調などもあり、小園や林をはじめとする若手野手たちを積極的に起用していました。その結果、彼らは着実にチャンスをつかみつつあります。

 そういう意味で言えば、投手陣、特に若いリリーフ投手に目を向けてみると、佐々岡監督の中では“期待を持ちながら育てていくんだ”という思いを持った上で起用しているようにも感じます。

 当然ながら、多くの試合で起用し、経験を積み重ねていく中で成功もあれば失敗もあります。

 彼らに対しては、来季以降、今季登板のチャンスをもらった中で、経験した失敗や成功体験というものを生かせるような投手になってほしいという思いがあるでしょう。

 若い投手は、とにかくいろいろな経験をして「どうしたらしっかり投げられるピッチャーになれるか」を考えてもらいたいですね。

 今季、痛打を浴びる中で「なんでまた投げさせるんだ?」といった声や、ヤジがあったりしたかもしれません。ですが佐々岡監督としては、そういう声を跳ね返し、しっかりと投げ切れるような投手として育ってくれることを期待しているのではないでしょうか。