今季、3年連続でBクラスが確定したカープ。4年ぶりのリーグ優勝に向けて、秋季キャンプがスタートした。カープOBの笘篠賢治氏に秋季キャンプを見たうえでのポイントを聞いた。今回は、リーグ2位の打率を記録した坂倉将吾の新たな挑戦について取り上げる。

持ち味の打撃を活かすため、捕手以外のポジションにも取り組む坂倉将吾選手。

◆捕手と一塁手だけで精一杯のはず…

 坂倉将吾が秋季キャンプから三塁手に挑戦しています。今季は本職の捕手で53試合、そして一塁手として、それ以上の57試合に出場しました。ただ、来季は新外国人選手も加入するため、出場の可能性を広げるための挑戦のようです。また、今季は9イニング制でしたが、来季はどういうシステムになるのかまだ分かりません。攻撃面で絶対に必要な存在なので、フルで出場してもらうためには、練習して損はないということだと思います。

 今回の取り組み、坂倉に経験をさせるのは悪いことではないと思いますが、個人的にはあまり賛成していません。三塁は一塁に比べると、サインプレーへの関わりは内野では少ないポジションですが、前進してランニングスローといったプレーなど、三塁手ならではの動きも数多いです。

 そもそも捕手と一塁手をやっているだけでもいっぱいいっぱいのはずです。ケガを恐れたら何もできませんが、これまでにない動きがあるポジションだけに、ケガにつながるリスクをとってまでやらせるべきなのか……とは思ってしまいます。二塁手や遊撃手ほどではないですが、下半身の張りも出てくるのではないかと思います。

 もちろん三塁手候補がいないのであれば、挑戦するメリットは大いにあります。しかし、今季は林晃汰を三塁手として育てるために使い続けてきました。そのあたりもあるだけに、今回の坂倉の三塁挑戦には少し違和感を感じます。チームとしての今回の新たな取り組みがどんな相乗効果をもたらすか、見守っていきたいと思います。