今年の夏・8月18日、カープ球団を通して、昨季限りでカープを退団したクリス・ジョンソンの現役引退が発表された。2015年にカープに加入し、在籍6年間で57勝をあげ、球団史上初の3連覇に大きく貢献した左腕。ここでは『惜別カープ戦士特集』として、現役時代にジョンソンが紡いだ言葉を、本誌で行った独占インタビューをもとに振り返る。

 今回は来日3年目の2017年。歴代カープ助っ人投手の中で、最も頼れる最強左腕の素顔に迫ったインタビューを抜粋して紹介する。(『広島アスリートマガジン』2017年5月号掲載)

 また、発売中の広島アスリートマガジン12月号では、クリス・ジョンソンの独占ロングインタビューを実施。カープファンが待っている、“KJのメッセージ”をお届けする。

2016年に外国人選手史上2人目の沢村賞に輝いたK.ジョンソン。

◆先発投手陣のリーダーとして

―2年連続開幕投手を務められますが、決まったときの心境はどのような感情でしたか?

「緒方(孝市)監督から直接言われたときは、非常に光栄なことだと感じました。開幕投手に指名されたうれしさ以上に、2年連続で開幕投手に選ばれたことに責任を感じました」

―昨季限りで黒田博樹氏が引退され、ジョンソン投手は先発陣の中では最年長となります。若い投手たちを引っ張りたいという気持ちもあるのではないですか?

「もちろんその部分は自覚を持って野球に取り組んでいます。自分が年齢を重ねて年上になってきていますし、若い選手たちの見本になれることを意識しています。球場での振る舞いだけではなく、球場外での態度も自分自身の人となりとして見られると思うので、さまざまな面で注意しながら生活していきたいと思っています」

―練習では若い投手と良い雰囲気でコミュニケーションを図っている印象があります。

「それも意識してやっていますね。自分も年齢を重ねてきている中で、年上の人間が若い人をいろいろと助けるというのが人として必要なことだと考えています。若い選手から質問などがあれば、いつも答えようと意識していますし、あとは練習から楽しむことです。楽しむことでいろんな選手がリラックスして野球に取り組めるのではないかと思っています」

◆妻のサポートは必要不可欠

―休日は奥様とよく出かけているそうですが、広島でお気に入りのスポットはありますか?

「1箇所気に入った場所というよりも、妻を連れて広島の街を散策することを好んでいます。広島はとても優しくてナイスな人たちが多いと思います。私たちに声をかけてくれる人や、握手を求めてくれる人も多いですね。街に出ると、そういった方々に囲まれて生活しているんだと実感します。あと広島の街は非常に綺麗ですよね。また街がコンパクトなのでいろいろなところに歩いて行けるというのも気に入っている部分です。欲を言えば、広島にティージーアイ フライデーズやアウトバックなど、アメリカのレストランがあったら、僕らにとってさらに最高の環境になりますね(笑)」

―ジョンソン投手の登板を奥様が観戦されることも多いですが、やはり力になりますか?

「彼女なしでは野球選手として成功できなかったと思いますし、僕にとって非常に大きな存在です。日本に来日して成功したシーズンが続いていますが、常に妻の支えがあるからこそ良い成績が残せて、今の生活があると思います。またいろいろな気持ちのサポートもしてもらっていて、常に冷静にいてくれる妻がいることで、僕も野球に集中できます。野球をプレーしていればいろいろなことがありますが、苦しいときも支えになってくれますし、良い投球をすることができれば、いつもハグをしてくれて喜んでくれるということも僕にとっては嬉しいことです」