2021年に、広島アスリートマガジンWEBで反響が大きかった記事をお送りする「過去記事セレクション」。今回は、プロ2年目に臨む木下元秀についてまとめた2012年シーズン前の記事をお送りします。(公開日2021年3月)

プロ2年目となる今季、二軍で89試合に出場した木下元秀選手。打率.241、67安打、2本塁打、22打点を記録した。

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 プロ1年目の昨季は二軍でチーム2位となる本塁打を記録した木下元秀。打率は1割台に低迷したものの、全打席で本塁打を狙うという破天荒な思考で長距離砲としての能力に磨きをかけていった。支配下登録に向け猛練習に取り組む次代の大砲候補が、今季に懸ける熱い思いを激白する。

◆オリックスの吉田正尚と合同自主トレ

——ウエスタン・リーグで4番も務めた昨季を、どのように捉えていますか?

 「トータルで考えたら、まだまだですね。シーズン後半に納得できる長打も出始めましたけど、狙った球に対して捉える率が低すぎたので、そこが最大の課題です」

——東出輝裕コーチからは、どのような指導を受けているのでしょうか?

 「細かいところというよりは、打球をより遠くに飛ばす、強く振るという簡単な言葉なんですけど、そのへんの言葉は自分が一番理解しやすかったところです。技術的なことで言うと体重移動ですね。タイミングの取り方だったり体重移動のやり方が自分の中にはなかったので、そういう部分を改善して球に対して強くバットを叩きつけることによって飛距離が10~15メートル伸びました」

——高校時代からスイングや構えなどに変化を加えているのでしょうか?

 「まるっきり変えたというのはないですけど、球を捉えるポイントやヘッドの位置は変えています。木製の場合はバットが折れたり、内野の頭も超えにくいので」

——昨季、自分自身で納得できた打席や本塁打はありましたか?

 「3本目のホームランですね。由宇で牧(丈一郎・阪神)さんからインコースの球を打ったんですけど、スムーズな体重移動でインハイを上手くさばけました。ただインコースは高校とは全然レベルが違うので、そこは今でも苦手です」

——インコース攻めでバッティングが崩れることもありますか?

 「崩れます。それに僕はまだ崩れたときに、すぐ基本に戻れないんです。東出コーチとか森笠(繁)コーチには『基本をつくれ』とよく言われています。崩れても、すぐに戻って来れるような基本をつくれと」