右サイドはユース出身の代表選手

森﨑兄弟と共に広島ユース時代から活躍した駒野友一。06年、10年と二度にわたりW杯にも出場した。現FC今治所属。

 続いて左右のウイングバックですが、右が駒野で左が盧廷潤(ノ・ジョンユン)です。駒野はすぐに決まりました。人数の関係で選ぶことができませんでしたが、浩司を含めた森﨑兄弟と駒野の3人は私の中で特に思い入れがある選手です。ユースから育った、サンフレッチェの顔と言える選手だと思います。育成型クラブというのを体現した選手たちであり、クラブの象徴と言えるような存在ですよね。

 もちろんプレーヤーとしてもピカイチです。駒野の右足のクロスは随一でした。彼が『GKとDFの間にすごいスピードでクロスを出して、そこに寿人が飛び込んでシュートを決める』というシーンが目に浮かびますよ。本当に努力家で無名だったところから日本代表にまでなって、今も現役でやっています。現役を退いた後はコーチなどでチームに関わってほしい選手の一人ですよね。

不動のレギュラーとして94年の1stステージ優勝に貢献した盧廷潤。93年から97年まで在籍し、初期のサンフレッチェを彩った。元韓国代表。

 左サイドは悩みました。それこそ柏(好文)が入ってもおかしくないですし、服部公太、ハウストラなどいろいろ考えました。盧くんは左利きではありませんが、あのキレキレのドリブルは驚異的ですし、今回のオリジナルチームでのフリーキッカーという意味もあって盧くんを選出しました。

 彼がJリーグ元年に加入したときは、母国からのバッシングもあったそうです。でも、そこで屈することなく、韓国人がJリーグに来てくれる門戸を開いてくれました。94年ファーストステージ優勝の立役者でもありますし、彼の明るい性格も大好きでした。その後も長く日本のチームでプレーし、みんなから愛された選手でした。

 ボランチもそうですが、左サイドの選出もすごく悩みました。みなさんなら誰を選出するのか、ぜひ、意見を聞いてみたいですね。では次回でDF、GKを取り上げて、吉田的サンフレッチェ歴代ベストイレブンを完成させたいと思います。明日まで、少々お待ちください!

●吉田安孝 よしだやすたか
1966年11月22日生、広島県出身。元サンフレッチェDF。現在は広島テレビ『進め! スポーツ元気丸』などのサッカーコメンテーターとして活躍中。