圧巻の成績で新人王に輝き、東京五輪金メダル獲得にも貢献した森下と栗林。チームに欠かせない先発と抑え。2人はお互いをどう見ているのか。2021年シーズンの振り返りと2022年シーズンへの決意と共に、投手としてのお互いの印象を聞いた。(取材は12月上旬)

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【栗林良吏へのインタビュー】※森下暢仁へのインタビューはこちら

森下暢仁について栗林良吏に聞いた。

◆暢仁は普段のキャッチボールからすごい球を投げています

─栗林投手から見た森下投手の魅力を教えてください。

「やっぱり一番は先発としてのゲームメイク能力の高さです。チームを勝たせる投手というのは、暢仁のような投手のことを言うんだろうなと思います」

─森下投手の球種で栗林投手がすごいと感じる球種はどれですか?

「全ての球が勝負球として使える投手の理想系のような存在です。なかでも僕がすごいと感じているのはストレートです。制球が安定していて、ファールでカウントを稼げて空振りもとれる。自信を持って投げているのが見ていて分かります。また、試合終盤でも150キロを超える球を投げていますから、そのあたりも含めてすごいなと思いますね。打者として対戦していないので質感や体感スピードは分かりませんが、暢仁のストレートが完璧に捉えられる場面はほとんどないので、きっとエグい球なんだと思います。あと暢仁とは、普段からよく一緒にキャッチボールをするのですが、その時からすごい球を投げています」

─東京五輪の日本代表では森下投手と共に活躍されました。森下投手の代表での投球はどう見ておられましたか?

「大舞台でも持ち味を発揮できるところがすごいですね。先ほどと同じ答えになりますが、先発として試合をつくる能力に長けていたと思います。登板した2試合(グループステージ第2戦・決勝戦)ともに暢仁の安定感がチームに良い流れをもたらしてくれました。あと暢仁は投手としてのコミュニケーション能力もすごい。見習う点がたくさんあります」

─栗林投手自身について伺います。プロ1年目から守護神として活躍し、新人最多タイの37セーブを記録。そして森下投手に続き、新人王に輝かれました。2021年を振り返ってみていかがですか?

「53試合に投げさせていただきましたが、セーブシチュエーションで失敗しなかったという点は自分で自分を褒めてやりたいと思います。シーズンを通して、抑えの仕事を全うできたので、来季も続けていきたいです。逆に続けていかないといけないと思っています」

─2022年シーズンに向けて新たに取り組んでいるものはありますか?

「ストレートのレベルを上げることに一番力を入れて取り組むつもりです。1年間抑えとして投げてきて、ストレートに磨きをかければ、もっと投球がラクになると感じました。理想としては全体の8割から9割はストレートでストライクをとれるようになりたいです。シーズン終盤、CS進出をかけた負けられない試合での登板はしびれるものがありました。優勝を目指す上では、こういった試合が続いていくと思うので、しっかりと結果で応えることができるよう、良い準備を積み重ねていきたいと思います」

2021年の新人王に輝いた栗林良吏。

●栗林良吏(くりばやし りょうじ)
1996年7月9日生(25歳)/愛知県出身/178cm・83kg/
右投右打/投手/愛知黎明高-名城大-トヨタ自動車-広島(2020年ドラフト1位)
【2021年成績】53試合 0勝1敗37セーブ 52.1回 81奪三振 防御率0.86