瀬戸内地方の7県を拠点に活動するアイドルグループ「STU48」。数々のアーティストを手がける秋元康氏のプロデュースにより2017年に誕生以来、現在ここまでシングル7枚をリリースしている人気アイドルグループだ。

 ライブでのパフォーマンスを中心にMC、バラエティなど幅広い分野で活躍する。中でも彼女たちの基本ベースとなるのがファンとの交流を図るライブでの、歌唱とダンスパフォーマンスだろう。ライブで披露されるダンスは激しい動きが要求されるため、日々彼女たちはレッスンに送る。その努力する姿はまさに“アスリート”と言ってもいいだろう。

 本企画は、そんな彼女たちの「アスリートな一面とスポーツとのつながり」に注目していく。今回は、STU48の「MC & スポーツユニット」であるMiKER!にも所属し、さまざまなスポーツを盛り上げる活動にも力を入れている甲斐心愛さんに直撃する。

 広島県出身の甲斐心愛さんは、生粋のカープファン。2022年3月6日にマツダスタジアムで行われた、カープ対西武のオープン戦では番組企画の一環で始球式に臨んだ。STU48きってのスポーツ好き、野球好き、そして生粋のカープファンである甲斐さんに、始球式の感想や深すぎるカープ愛を存分に語ってもらった。

始球式で堂々とした投球を見せたSTU48の甲斐心愛さん

◆マツダスタジアムのマウンドが光って見えた!

ー3月6日にはマツダスタジアムでのオープン戦では始球式を行われました。
「今までSTU48のグループでマツダスタジアムに入った経験はありましたが、私1人でグラウンドに立ちましたし、もちろん始球式をしたのも今日が初めてでしたし、とにかく緊張していました」

ーマウンドに向かう時の気持ちはいかがでしたか?
「これを言ったら誰も信じてくれないんですけど……私が見たグラウンドはキラキラ輝いていました(笑)。まるで、写真の露出が上がったように世界が光っていたんです!」

ーそれほど夢見心地だったのですね!ちなみに、事前にキャッチボールの練習などはされたのですか?
「コロナ対応などもあって、選手の方とのキャッチボールできませんでしたが、マツダスタジアムに来る前に広島ホームテレビさんの玄関で、外木場義郎さん(元カープ投手・現解説者)と投球練習をしていました」

ーちなみにどのような練習をされたんでしょうか?
「まず18.44メートルを測って、だんだん距離を伸ばしながらキャッチボールの距離を伸ばしていきました。「結構良いフォームで投げられている」とお褒めの言葉をいただいて、滑り出しは順調だったんですが……握りの甘さや最後の手首のスナップや脚を高くあげてとか、ご指導がどんどん厳しくなっていきました(笑)」

ーかなり本格的ですね!
「そうですね! 最初はボールが右に逸れがちだったんですけど、『キャッチャーの横にいるカメラマンに向かって投げるくらいの感覚で投げるといいよ』と言われて、その意識で投げると真っ直ぐいくようになりました。そして、『自分の存在を大きく思って、気持ち強く。いろんなこと考え過ぎたら分からなくなるから、”真っ直ぐ前に”だけ意識すればいい』と投手目線のアドバイスまでいただきました」

ーカープのレジェンドからの的確な熱血指導があったわけですね。
「外木場さんとそんな練習をしていたら、試合の解説を担当される前田智徳さんが外木場さんにご挨拶に来られて。カープレジェンドお二人の間で別世界にいるような感覚になりました。しかも、始球式で球団から貸していただいたグローブが……なんと黒田博樹さんのもので。本当にカープの歴史に包まれた“レジェンド祭り”でした」

「黒田博樹」の刺繍が入ったグローブを手に“光るマウンド”に向かう甲斐さん

ー始球式の投球では、すごく綺麗なフォームで投げられていました。
「投げ方は事前にYouTubeで勉強して用意していて、顔の前でボールを離すなど細かい調節は外木場さんが教えてくださいました。それこそ森下暢仁投手のフォームのスロー映像や、大瀬良大地投手のものも見て勉強しました。あと、九里亜蓮投手と栗林良吏投手も見ましたが、フォームが速くて真似できないなと思いました。あと他球団の田中将大選手なども見ました。STUでダンスをしているからなのか、人の動きを真似するのは結構得意なんです(笑)」

ーやはり、マウンドは緊張しましたか?
「自分がどんな顔をしていたのかも分からないですし、審判の方からの合図があった途端、ゾーンに入ったみたいに音も聞こえなくなりました(笑)。それで、投げ終わった後にスタンドのみなさんからの拍手で緊張から解放されて、終わったんだと安堵の気持ちに包まれました。と、同時に『夢が叶ったんだ』と感動のあまり帰り際に泣いちゃいました」

ー練習の成果を見事に発揮するような、良い球筋でした!
「ありがとうございます(笑)。ですが、ボールはワンバンしてしまって、捕手の磯村嘉孝選手のミットまで届かなかったので、本当はノーバウンドで投げたかったですね。外木場さんがあんなに指導してくださったのに……申し訳ないです!悔しいです!」