1993年の創刊以来、カープ、サンフレッチェを中心に「広島のアスリートたちの今」を伝えてきた『広島アスリートマガジン』は、2025年12月をもって休刊いたします。32年間の歴史を改めて振り返るべく、バックナンバーの中から、編集部が選ぶ“今、改めて読みたい”記事をセレクト。時代を超えて響く言葉や視点をお届けします。
第4回目の特集は、カープ歴代助っ人外国人のインタビューセレクション。
海を渡ってカープにやってきた助っ人たちは、その活躍だけでなく、ユニークなキャラクターでも多くのカープファンに愛された。ここでは懐かしい外国人選手を中心に、彼らの “広島愛”を改めて振り返る。
2009年6月に加入したアンディ・フィリップスは、瞬く間に日本野球に適応すると、持ち味である広角打法で左右自在に打球を放ち、ポイントゲッターとして揺るぎない地位を得た。MLBでのプレー経験も持つ助っ人が語っていた、自身の強み、そして日本人投手の特徴とは。(全2回/第1回)
(『広島アスリートマガジン2009年10月号』掲載記事を再編集)
◆高いレベルで野球がしたい。来日を決めたその裏側
— 来日してからおよそ3カ月が経ちました(取材時点)。日本の街には慣れましたか?
「そうですね。非常に楽しませてもらっています。日本に来る前にはいろんな人から情報をもらっていたので、前もってどのような土地なのかということはある程度予想できていました。だからそこまで大きなカルチャーショックはなかったですね。広島以外にもいろんな街に遠征に行きましたが、それぞれ独自の特徴があって、全国においしいものがあるという印象です。外出して歩いたりもしましたし、広島以外でもどこに行っても非常に楽しめますね」
— 入団会見直後に球団の公式サイトにアップされた紹介ページでは、『女性ファン必見! 男前新外国人』と記載がありました。こんな紹介の仕方はこれまでなかったことです。
「そういうことを言われるとちょっと照れますが、逆を言われるよりはいいですよね(笑)。うれしいことです」
— 今季はシーズン途中までアメリカでプレーしていましたが、6月にフリーエージェントとなり、カープへの入団が決まりました。働き場所を日本に求めたのはどんな心境だったのですか?
「今年の春季キャンプはメジャーに招待されロースターに入れると期待していましたが、実際は漏れて、マイナーでもいい成績を挙げていたのですがなかなかメジャーに上がれませんでした。今の年齢のうちにレベルの高い舞台で野球を続けたいと思い、日本に目が向きました。タイミングとチャンスが合って、来日を決断しました」

