開幕からスタメン出場を続ける上本崇司(今年の春季キャンプで撮影)

◆12球投げさせての四球に見た上本の好調ぶり

 開幕からここまで上位打線の働きも素晴らしいですが、あとは、なんと言っても上本崇司でしょう。これまでも言ってきましたが、上本はスタメンで通用する力を持っているんですよ。

 現状は8番という打順ですが、チャンスでの勝負強さも兼ね備えています。また四球を勝ち取るなど出塁率にも優れているので、出塁した際は9番の投手がバントで送り、チャンスで1番の西川に回すことができます。得点につながる、最高の役割をこなしてくれています。

 3月29日の阪神戦。9回裏、上本が、阪神のケラーに12球投げさせて四球で出塁したシーン。あのガッツポーズは無意識だったと思うのですが、あの四球から、一気に逆転勝ちの勢いになりましたよね。

 試合後のヒーローインタビューでは「僕(がヒーロー)ですか?」と言っていましたが、それだけ価値のある四球でした。苦労人の活躍というのはチームを盛り上げてもくれます。

 もし、好調を維持している今の時期にスタメン起用されていなかったら、上本も状態が落ちてきていたと思います。タイミングって本当に大事なんです。なので、開幕戦から上本を使ったというのは佐々岡監督のファインプレーですよね。

 また、ベテランでは、長野久義が代打で仕事をしてしますし、田中広輔は守備固めで貢献しています。開幕戦で結果を出したルーキーの末包昇大に負けじと、同じくルーキーの中村健人は3月30日の阪神戦でプロ初安打を放ちました。

 若手もベテランも含めて、みんなが一つになって戦っている感じがしますよね。ミスをカバーし合う姿勢も見られて、本当に良い野球をしています。その姿勢が運も呼び込んでいると思いますね。あとは大きな連敗をしないように、この流れを大事にして戦い続けてもらいたいです。