19試合を戦って12勝6敗1分で、セ・リーグ首位に立つカープ。OBの笘篠賢治氏に、打線の中軸を担う、マクブルーム、小園海斗について語ってもらった。

今季は3番打者として活躍を続ける小園海斗(今年の春季キャンプで撮影)

◆打席での柔軟な対応が目立つマクブルームに良い形でつなぎたい

 カープは相変わらず、落ち着いた戦い方ができています。4月10日の阪神戦は、遠藤淳志が先発して1−0の完封リレー。2回表のマクブルームのソロ本塁打の1点をしっかりと継投で守り抜きました。

 昨季0勝で悔しい思いをしていたであろう遠藤に、3試合目の登板で勝ちがついたのも大きいですし、試合を決める大きな本塁打を放ったマクブルームにとっても大きな意味を持つ試合だったはずです。

 マクブルームを打撃を見ていて感じたことですが、投手によって打撃のアプローチを変えています。4月9日の秋山拓巳との対戦では、抜いてくる変化球が多い投手に対して、追い込まれてからノーステップ気味にしてみたり、追っ付ける感じで逆方向への打球を意識してみたりと、打席の中での工夫が見られました。

 守備においても、一塁への送球がワンバウンドになったときも、捕球が柔らかくて上手ですよね。あれだけしっかりと処理してくれると内野手は安心して投げられます。坂倉将吾も三塁というまだ慣れない守備の中で、ダッシュしながらつかんだり、難しい体勢での送球などをしなければならないときに、投げるラインさえ間違えなければ捕ってくれるというのがあると、プレーしやすいですよね。

 ただ、一つマクブルームに関して気になるのは、速い球を打つ際のポイントが近くて差し込まれている感じがあり、前でバチンと打てていない点です。日本でも150キロ以上を投げる投手はたくさんいますからね。145キロくらいまでならしっかりと打てていますし、変化球の対応もとても良いのですが、速いストレートをどう対応していけるか。そこが良くなっていけば、もっと怖い打者になると思います。

 チームにも溶け込んでいて、振る舞いも紳士的です。昨年在籍したクロンもそうでしたが、そういった選手には成功してもらいたいですよね。4月7日の巨人戦で頭部に死球を受けた際も、とても冷静でした。イライラしてフラストレーションが溜まってプレーに影響が出るタイプではなさそうですよね。

 そして、打者でいくと、マクブルームとクリーンアップを組む、小園海斗に4月13日のヤクルト戦で久々のヒットが出ました。これをきっかけに状態を上がるといいですよね。今はちょっとバットの角度が鋭角すぎるように見えるので、もう少し横振りに近くてもいいのかなと思いました。そうなるとライナー性の打球が増えてくるはずです。

 やはり状態が落ちている時はどれだけ早く元に戻せるか、その方法をわかっておかないと、3割を常に打てる打者にはなれません。3割を打てる人というのは状態が落ちているときに原因を早く突き止めて、矯正できる方法を知っています。

 自分の悪い癖、こういう風になりがちというところをチェックしておいて、早く状態を元に戻してもらい、今後にも生かしてもらたいですね。