開幕から好調な戦いぶりを見せる中で投手陣の安定感が光っているカープ。今回のコラムでは、今シーズンも守護神としての活躍が期待される栗林良吏について、OBの大野豊氏に語ってもらった。※取材は4月上旬。

今季もクローザーとして9回のマウンドを託される栗林良吏(今年の春季キャンプで撮影)

◆真価が問われる守護神・栗林

 次に今季も開幕からストッパーを務める栗林良吏ですが、オープン戦から開幕直後の投球を見ていると、やや彼本来の球が投げ切れていない印象があります。

 昨季は、走者がいない場面では足を上げて、しっかりと『タメ』を作ってから投げていました。

 今年については、ほとんどクイックモーションで投げています。まずは試合の中で結果を出しながらだと思いますが、今後どのタイミングで、彼本来のゆったりとした『タメ』を作ったモーションに戻すのかは気になるところです。

 昨年の栗林の成績はほぼ完璧な投球で神がかり的でした。しかし今季、4月2日の中日戦(バンテリンドーム)では打たれて敗戦投手になってしまいました。今年はそういうこともある年だと思っていますし、シーズントータルの成績で見てほしいですね。

 彼の信頼できるところは、たとえサヨナラ負けをしたとしても、次の試合ではしっかりと抑え、続けて同じ失敗をしないことです。そういう意味では、4月5日のセーブ成功は彼自身にとっても、大きな意味を持つセーブになったのではないでしょうか。

 栗林のクローザーとしての責任感や、「やるべきことをきっちりとやれる」という点は、評価をして良い部分だと思います。