6月21日から1分を挟み5連勝で五割に戻したカープ。OBの笘篠賢治氏に、交流戦明けの戦いを見て感じたことを語ってもらった。

開幕から一軍で活躍を続ける中村健人(今季の春季キャンプで撮影)

◆一体感が生まれる戦いができている

 6月17日からのヤクルト戦3連敗という悪い流れを、6月21日からの阪神3連戦で見事に立て直しました。

 投手陣も粘り強く投げていますし、効果的に長打も出るなど、攻撃のバランスも良くなってきました。3月〜4月の好調時と比べても、より良い戦い方ができているのではないのかと思っています。この良い状態が続けば、2位浮上も時間の問題ではないでしょうか。

 阪神3連戦は、勝ち試合も素晴らしかったですが、3対3の引き分けに終わった6月23日の試合も、チームの一体感を感じる戦いができていました。

 特に9回表、中村健人が、大山悠輔のあわやライトオーバーの当たりを捕球したシーン。一打勝ち越しというピンチの中で、前進守備だったのですが、後ろ向きの難しい体勢でよく捕りましたよね。必死に背走しながら、打球から最後まで目を切らず、本当に素晴らしいプレーでした。

 阪神もしぶといチームですが、今季は9勝0敗2分けとまだ負けていません。理由はいくつかあると思いますが、カープに対してやりにくさ、苦手意識を持っているように感じます。

 今までは、西勇輝や秋山拓巳をぶつければ、勝つ確率が上がるだろうと思っていたでしょうが、今年はことごとくカープ打線が打ち崩しています。

 その結果、阪神がチャンスをつくっても、もっと積極的にいけばいいのにと思ってしまう攻撃をしているように感じます。これまで以上に、ここで打たないといけない…とプレッシャーを感じているのかもしれません。ただ、このままズルズルといくようにも思えないので、今後も油断はしないようにしたいですね。