リーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯の過密日程を戦っているサンフレッチェ広島。リーグでは現在4位、上位進出に向け着実に勝ち点を積み上げている。

 ここではサンフレッチェ広島・OBの吉田安孝氏が、独自の目線で選んだ、月間(5月13日・浦和戦〜6月11日・札幌戦)MVP&ベストゴールなどを語っていく。

甲府からサンフレッチェに復帰した野津田岳人は、いまやチームの中心を担っている。

◆監督の信頼を勝ち取った野津田岳人

 今月(5月13日〜6月11日)の私が選ぶMVPは今シーズンからサンフレッチェに復帰した野津田岳人です。開幕当初はスタメンから外れていましたが、今や欠かせない選手になってくれました。試合に出場できなくても腐らず努力を続け、カップ戦で良いパフォーマンスを出して監督の信頼を勝ち取りました。この価値は本当に高いです。

 4月までは塩谷司との2ボランチでしたが、4月末にベン・カリファが加わって2トップになったことで野津田の1ボランチになり、相当な負荷がかかっています。それでもこのフォーメーションで戦えているのは、野津田の1対1の強さや運動量があるからこそ。広いスペースをケアし、攻守で献身的に戦ってくれています。

 これまで広島でなかなか活躍できず期限付き移籍が続いていましたが、強く逞しい選手に成長して広島に戻ってきてくれたことがうれしくてたまりません!

 次に月間ベストゴールですが、リーグ戦16節・名古屋グランパス戦(5月28日)で野津田が決めたゴールです。元々キック力が高い選手ですが、この直接フリーキック(FK)の技術には驚きました。

 こんな鋭い縦回転シュートを蹴ることのできる選手は、Jリーグでもそうはいません。野津田がずっとFKの練習を続けてきたことを知っているだけに、これ以上のベストゴールはありませんね。