昨季まで、鈴木誠也が担っていたカープの4番。主砲が抜けた穴が心配されたが、その4番にシーズン序盤から座っているのが新外国人選手のマクブルームだ。

 パワーが自慢だが、決して大振りはせず、“つないでいく”チーム打撃で勝利に貢献。29試合連続出塁を達成し、5月には自身初の満塁本塁打を放つなど、今やカープ打線に欠かせない存在となっている。

 チームメートからも愛されるナイスガイの思いを、独占インタビューで届ける。

◆『Thank you』をどうしても日本語で伝えたかった。

─カープというチームにはどんな印象を持っていますか?

「一軍合流初日(3月29日)からチームメートが温かく迎え入れてくれたのはうれしかったですね。チームに合流してから数カ月しか経っていませんが、カープには人柄が素晴らしい選手が多いです。自分にとって非常にプレーしやすい環境のなか、野球に集中して取り組むことができています」

広角に打ち分ける打撃技術を持ち合わせ、選球眼の良さもマクブルームが日本で数字を残している理由の一つだ。

─その合流初日。試合前の練習でチームメートと談笑する姿が見られました。

「チームメートはもちろん、首脳陣の方々も含めて、カープ全体で自分の存在を受け入れてくれていますし、そのことに何よりも感謝しています。ありのままの自分でいられる環境をつくってくれる、本当に素晴らしいチームだと思っています」

─仲の良いチームメートは?

「みんなすごくよくしてくれていますが、名前をあげるなら、長野(久義)さんや西川(龍馬)、小園(海斗)と過ごすことが多いです。一緒にいることが本当に楽しくて(笑)。良い仲間に恵まれています」

─チームメートとコミュニケーションをとるなかで、日本語も少しずつ覚えられたのではないかと思います。一番最初に覚えた日本語はどういった言葉ですか?

「『ありがとうございます』です。この言葉を一番最初に覚えた理由は、プレゼントをもらったり、食事に連れていってもらったときなどに、その方々に対して、『Thank you』を日本語で伝えたくて教えてもらいました」

─素敵な理由ですね。マクブルーム選手の人柄が伝わってきます。4年ぶりのリーグ優勝に向けて、ファンのみなさんはマクブルーム選手のカープでの活躍に期待されています。日本でプレーしていくうえで、これだけは貫き通すと決めているマイルールはありますか?

「一つあげるなら、試合中はどんな状況であっても“戦う姿勢”を見せることです。これは何があっても絶対に揺るがない自分の中のルールです。技術やトレーニングに関しては、日々変わっていくことも多いので、新しいことを学び、そのうえで改良していかないといけないと思っています。目の前の変化に対して柔軟に対応できるように、学ぶこと、成長することをやめないようにしたいですね。これからも1試合でも多く勝利に貢献できるよう全力で頑張ります」

《プロフィール》
ライアン・マクブルーム
1992年4月9日生、アメリカ出身
190cm・99kg/左投右打/内野手/30歳
ウェストバージニア大-ロイヤルズ-広島
【今季成績】 60試合 打率.265 57安打 6本塁打 31打点