3連敗スタートとなった後半戦。新型コロナの陽性判定による離脱者もいるなか、チームとしてどう戦っていくべきか。後半戦の戦い方について、OBの笘篠賢治氏に語ってもらった。

7月の月間打率.310、2本塁打、7打点。勝負の夏に入り調子を上げてきた小園海斗。

◆若い選手がどれだけ冷静にプレーできるか

 オールスター休みを挟んで、最初のカードは3連敗と負け越しスタートとなったカープ。残り45試合。2位以下が混戦状態の中で、何勝を目指していくのか――。首位ヤクルトを追い越すとなると正直キツいところ。もしこの先ヤクルトが5割でいったとしても、10ゲーム以上の差がありますからね。80勝を越えるのはかなり厳しいところではあります。

 そう考えると、2位を目指す戦いにならざるを得ないと思います。他のチームとの残り試合数を見てみると、相性の良いDeNAとの試合を多く残しています。そういう点も考慮すると、残り試合は30勝15敗あたりを目指してやっていかないといけません。常にカード勝ち越しを目指す戦いですよね。そうなると3連戦の頭の試合が大事になってきます。先発ローテーションの変更がどう影響するか、気になるところです。

 野手陣は秋山翔吾が加入して、チームの雰囲気にも変化が出てきました。ここから西川龍馬やマクブルームが合流して、どのような打線を組んでいくのか。特に西川が何番を打つのかに注目です。今は上位がいい形でつながっているので、変に崩すことはせず、おそらく下位あたりからスタートするのではないでしょうか。

 マクブルームが戻ってきたら四番に座るはずなので、その後ろの坂倉が重要になってきます。いつも言っていることですが、一番、三番、五番、七番。奇数番号の打順がキーポイントになります。

 野間峻祥と坂倉将吾は3割近い打率を残しているだけに、この勢いを維持したまま、2人には最後まで頑張ってもらいたいです。秋山もこれから上がってくるでしょうし、小園海斗も上り調子。あとは開幕当初のような、つながりのある攻撃がどれだけできるかです。その意識を持ちながらやっていくだけでしょう。

 あとはコロナ陽性による離脱が続かないことを願うしかないですよね。オールスター前に調子の良かった磯村嘉孝が陽性で離脱したことで、白濱裕太もしばらくは一軍に帯同することになるかもしれません。19年目のベテランで、ファームでコツコツやっているのをファンのみなさんも知っていますから、今季初出場となった7月23日のヤクルト戦は大きな拍手で迎えられていました。出番が限られてくるとは思いますが、彼が出場すると、球場もベンチも盛り上がりますからね。

 また、これから負けられない戦いが続く中で、経験の浅い若手がどれだけ冷静にプレーできるかも大事になってきます。ただ、今の若い選手たちはあんまり緊張しなさそうですよね。オールスターを見ていても、昔だと雰囲気に飲まれることもあったのですが、小園も坂倉も伸び伸びとプレーしていましたからね。シーズンの大事な局面でもそういったプレーを見せてもらいたいところです。