11,000人を越えるサポーターの前で、8年ぶりとなるルヴァンカップ決勝進出を決めたサンフレッチェ広島。『4つ目の星』奪取に向け躍進を続ける紫軍団は、8月中の公式戦は無敗、一時はリーグ首位に立つ快進撃を見せてサッカーファンの関心を集めた。

 ここでは、サンフレッチェ広島・OBの吉田安孝氏が独自の目線で選ぶ、月間(8月14日・柏戦〜9月3日清水戦)MVP&ベストゴールを語っていく。

試合の空気を変えるスーパーサブとして活躍した松本泰志。9月以降はスタメン起用も増えている。

◆絶好調の8月を象徴する、ニューヒーローが次々誕生!

 今回のMVPは、サポーターの度肝を抜いた “3試合連続ゴール” のMF・松本泰志に決定です。8月14日(柏戦)・20日(G大阪戦)・27日(C大阪戦)で見せた3試合連続ゴールは衝撃的でした。

 彼の大きな武器は、相手DFとGKの間のスペース、いわゆる『裏』に入り込んでいく素晴らしいテクニック。後方から相手の隙を突き、「なんでここにいるんだ!?」と思わせるポジションに入っていけるのは、松本の運動量と戦術眼があればこそでしょう。柏戦でJ1初ゴールをあげ、随所で得点に絡むプレーも見せてくれている頼もしいMFは、今後ますます期待と注目が高まる選手の1人です。

 月間ベストゴールは、9月3日・清水戦川村拓夢があげた1ゴール目です。この試合、川村は2ゴールをあげる活躍を見せてくれました。2得点目となった超ロングシュートももちろんスーパーでしたが、1人3役でゴールを奪った1得点目が特に素晴らしい! 自陣内空中での競り合いから始まり、足下の奪い合いで相手からボールを奪取すると、最後は角度のない位置からのシュート。特に最後のシュートは、ストライカーばりの見事な一発でした。

 そして今回の月間ベストゲームは、8月27日のC大阪戦です。この試合は、今シーズン開催されたJリーグ全試合の中でもNo.1といえる、本当に素晴らしい一戦でした!

 一つひとつのプレーやパスの質も高く、ボールスピードもいい、走る判断もいい。まさに両チームの良さがぶつかりあったベストゲームでした。広島の『生え抜き』、茶島雄介がシーズン初得点をあげたという意味でも、記憶に残るうれしい試合になりましたね。