3位の巨人が9月24日・25日の中日戦に敗れたことで、ますます分からなくなったCS争い。残り3試合を残すカープは、9月29日からヤクルト2連戦、10月2日に中日戦と対戦。逆転のCS進出に向けて3連勝を目指して戦うこととなる。OBの笘篠賢治氏に先週の戦いを振り返ってもらい、残り3試合に向けた調整で必要なことを語ってもらった。

 

◆ブルペンで生きた球を見る対策も必要

 3位争いは、まだまだどのチームが勝ち上がるのか分からない状況が続いています。

 9月20日の中日戦は延長11回まで戦い敗れてしまいましたが、翌21日の阪神戦はチーム一丸となった戦いを見せてくれました。先発の森下暢仁が初回に2失点し、前日の嫌な流れを引きずるパターンかと思いましたが、カープ打線がすぐに逆転して、“CSを諦めない”という強い気持ちを見せてくれました。

 流れ的には、先発の伊藤将司以降の投手陣がしっかりと抑えて、こつこつ追い上げ、梅野隆太郎の一発で同点に追いついただけに、阪神が取りそうなゲームではありました。

 しかし、最後に阪神に痛いミスが出て、そこを逃さずに勝ちにつなげました。運がめぐっての勝ち方になりましたが、一つ勝とうとするには、足を使えないのであれば、バントという戦術も必要になってくると思います。

 また、この試合は、ここぞの場面で上本崇司がよく打ってくれました。9回表、1死二塁の場面では、湯浅京己の外角のストレートに下半身が止まり、手だけで振りにいき三振してしまいました。なんとかバットに当てたいのはわかりますが、上体だけで打とうとすると良い結果は出にくいです。

 なので、再び11回表に1死満塁のチャンスで回ってきたときは、少し心配していました。しかし、追い込まれてから、絶対に三振だけはしたくないという打撃で三遊間に抜ける安打を放ち、そこから連打で一挙6得点。

 このまま9月23日の試合も勝ちたかったところですが、阪神もまだCSの可能性がある中で意地を見せました。そして巨人が9月24日、25日の中日戦に連敗したことで、どのチームがCSに勝ち上がるか分からなくなっています。

 カープはというと9月29日の試合まで、5日間試合がない日が続きます。試合勘でいうと、1〜2日くらいだったらなんともないのですが、間隔が空きすぎると特に打者は困ります。

 リフレッシュして体の疲れが取れればいいと思いますが、一番大事なのは目の慣れなので、ブルペンで投手の生きた球を見るなどの対策も必要ですよね。打つ感覚というのは打撃練習で養えるのですが、生きた球の変化はマシンや打撃投手だと見れないですから。

 残りはヤクルト戦2試合、中日戦1試合。どちらも今シーズン負け越しているチームです。今季のカープはガンガン振ってくるチームに対してはあまり苦にしていない反面、細かい野球をやってくるチームを苦手としていますよね。ただ、このままやられっぱなしというわけにもいかないですから、ラスト3試合をしっかりと勝って、CS進出への希望をつないでもらいたいです。