2022年ルヴァン杯で、悲願のタイトルを獲得したサンフレッチェ広島。スキッベ監督のもと、ベテラン選手、若手選手、外国人選手、コーチ陣、スタッフ……チームが一丸となってつかんだ栄光に、サポーターは大いに沸いた。

 ここではサンフレッチェ広島・OBの吉田安孝氏が、独自の目線で選んだカップ戦決勝前夜(9月7日・C大阪戦〜10月1日・浦和戦)のMVP&ベストゴールを語っていく。

◆チームが目指すサッカーを体現! 理想通りの試合運びで難敵を攻略

サンフレッチェ広島ユース出身。カップ戦決勝でも先発出場を果たした川村拓夢

 今回のMVPは、川村拓夢に決定です!

 先月も素晴らしいプレーを見せてくれていましたが、ここ数試合の川村は、とにかく「すごい」の一言です。彼は身長もありますし、足の長さがあるのでリーチもあります。現在のJリーグでは、あれだけ高さもパワーもあって足下のテクニックにも優れた選手が、中盤であそこまで小気味よく動けているという例はなかなかありません。まさにワールドクラス。本当に、スケールの大きな選手だと思います。

 月間ベストゴールは、10月1日・浦和戦であげた満田誠のゴールです!

 この日、満田は2ゴールをあげましたが、そのうち1ゴール目は、サンフレッチェが目指す『ショートカウンター』というサッカーそのものでした。

 野津田岳人のボール奪取、川村の強烈で素晴らしい縦パス、そしてそれを受けた満田のワンタッチコントロールからのゴール。しかも満田はこのとき、利き足ではない左足でありながら、しっかりと勢いのあるボールをニアサイドの上を狙って打っていました。フィニッシュに至る一連の流れの全てがそろった、まさに『ベスト』といえるゴールだったでしょう。

 そして今回の月間ベストゲームは、こちらも10月1日・浦和レッズ戦です!

 攻撃の面でも守備の面でも、浦和に何もさせなかった、理想通りの試合でした !

 森島司、満田をはじめとする『点を取るべき選手』がしっかりと点を取り、守備面でも、守るべき選手がしっかりとゴールを守り抜くことができました。今季最多の17,000人を越えるサポーターの前で、4得点を奪って勝点3。まさに完璧なゲームでした。

広島アスリートマガジン11月号は、新井貴浩新監督の軌跡を振り返る1冊! 広島を熱くする男が帰ってきた!新井貴浩新監督誕生 月刊誌でしか見ることのできないビジュアルも満載です。