2021年、初の規定打席に到達し、鈴木誠也と首位打者争いを演じた坂倉将吾。主軸として期待された2022年シーズンは、本職である捕手のポジション以外に一塁手・三塁手にも挑戦し、チーム唯一となる全試合フル出場を果たした。

 チームの主軸に成長した、プロ6年目・24歳の責任感と心に秘めた思いに迫った。

本職の捕手以外にも、その打撃を生かすため、一塁・三塁にも挑戦した。

◆求められる役割を全うする

─まず、2022年シーズンを振り返り、ご自身のプレーをどのように自己評価されますか?

「シーズンを通して初めてフル出場することができたので、それに関しては、ひとまず良かったなという思いです」

─143試合フル出場はチームで唯一の数字です。フル出場する上で、体力面できつかったことなどはありますか?

「季節の変わり目ですかね。シーズン序盤から梅雨、そこから夏場にかけてが一番きついなと思いました」

─コンディションを維持するために意識していたことはあるのでしょうか?

「一度試合中に足をつったことがありました。基本的なことではありますが、“水分をしっかり摂る”ということは意識していましたね」

─今シーズンは、若手選手の活躍が目立つシーズンでもありました。坂倉選手よりも年下の選手が活躍する姿をどのように見ておられましたか?

「今シーズンは自分も初めてサードを守ることになり必死だったので、とりあえず自分のことでいっぱいいっぱいというのが正直なところです。なので、そこまで目配り、気配りをしてあげられなかったかなと思います。みんな頑張っているなと思いましたし、一軍でなんとか必死にやろうという選手たちばかりです。そこに関しては、僕自身も真摯に、聞かれたことはきちんと答えようと思ってやっていました」

─守備面ではサードをメインに、本職であるキャッチャー、ファーストを守られました。まず、サードの守備で具体的に難しい面はどのようなところでしたか?

「やはり、ノックの受け方が違って、試合では試合なりの打球が飛んできますし、とっさの判断や、色々な状況下でやらないといけないところが難しかったです」

─一塁と三塁では、打球の体感は変わるのでしょうか?

「体感はあまり変わらないのですが、やはり角度が違うので、そのあたりはファーストとは違うのかなと感じました」

─本職のキャッチャーでは22試合に出場されました。坂倉選手にとって“キャッチャー”というポジションにはどのような想いがありますか?  

「やはりシーズンを通して、守りたかったですし、もっとキャッチャーとして出場したかったというのは本音としてありますね。もちろんチーム状況もありますが、その面に関しては少し悔しさの残るシーズンだったかなと思います」

─サード、キャッチャー、ファーストと守備面で共通して大切にされていたことはありますか?  

「それぞれ役割が違いますし、ミスはいけませんが、場面場面でミスの出るスポーツだと思います。自分の考え方として、正しい表現かは分かりませんが、“やっていいミス”と“やってはいけないミス”があると思っています。その優先順位を自分の中でつけて、“今のはやってはいけないミス”だったと自分できちんと考えることを心がけました。例えばサードであれば、アウトが取れなくても、『最悪、体の前で止めれば長打にはならない』というようなことなど、そういうところを意識しながら守っていました」

─続いて打撃面についてお伺いします。今シーズンは安打数、ホームラン数と、キャリアハイの成績を残されました。最多安打の可能性もありましたが、意識していた部分はありましたか?

「単純に去年より試合に出ているので、去年通りの状況かな? とは思います。ただ振り返ると去年より納得のいかないことの方が多かったかなと思いますね」

さかくら・しょうご
■ 1998年5月29日生、千葉県出身
■ 176cm/88kg、右投左打
■ 日大三高ー広島(2016年ドラフト4位)

【2022年 一軍成績】
143試合 打率.288 155安打 16本塁打 68打点

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