リーグ3位、天皇杯準優勝、ルヴァン杯優勝。Jリーグアウォーズでは優秀監督賞と年間ベストゴールを受賞するなど、クラブ史に残る輝かしい成績を収めた2022年サンフレッチェ広島。

 ここではOBの吉田安孝氏が、独自の目線で選んだ2023シーズン年間MVPと、リーグ最終盤を迎えた10・11月のベストゴール&ゲームを語っていく。

◆全選手、スタッフの手で頂点をつかみ獲った歓喜のシーズン

サンフレッチェユース出身、今シーズン甲府から広島に復帰すると、瞬く間にチームの中心プレーヤーとなった野津田岳人

 今年の年間MVPは、野津田岳人に決定です!

 2022年のサンフレッチェは、まさに、野津田中心のチームだったといえるでしょう。開幕当初はメンバー外だったものの、カップ戦を戦う中で結果を出し監督の信頼を得て、自分自身の力でポジションをつかみ取りました。シーズンを通して活躍し、得点もあげ、ワンボランチでの起用にも見事に応えてみせました。セットプレーの場面でも、野津田の左足は大きな武器になりました。

 「活躍すれば、ポジションが取れる」そんなポジティブな循環が生まれていたのが、今シーズンのサンフレッチェです。ここでは代表して野津田の名前をあげましたが、どの選手も本当に、素晴らしい活躍を見せてくれた1年間でした。

 月間ベストゴールは、11月5日・鳥栖戦であげた満田誠のゴールです!

ルーキーイヤーの2022年には9ゴール8アシストの成績を残した満田誠

 このゴールは、満田の技術の高さがわかる素晴らしいゴールでした。体を後ろに開いて右足にボールを置き、蹴るというより「こする」ようにしてカーブをかけていました。こうしたテクニカルなシュートを決めたかと思えば、力のあるストレート系のシュートも打てる。本当に多彩なシュート技術を持った選手です。左右どちらの足でも打てることや、アシストでも大きく貢献していることを考えると、来年も期待が高まる選手の1人といって間違いありません。

 そして今月のベストゲームは、この試合以外にはありません!

 10月22日、クラブに初のカップ戦タイトルをもたらしたルヴァン杯決勝戦(C大阪戦)

 若い選手も、ベテランの選手も、全員の力でクラブの歴史を塗り替えてくれました。本当に誇らしい選手たちだと思います。