3月6日に行われた、『スポニチ創刊75周年記念 第77回JABA東京スポニチ大会』。神宮球場で行われた初戦の東芝対エイジェックの一戦は、両軍ともルーキー投手が躍動した。試合は3回に決勝点を上げ、その後もエイジェック打線を寄せ付けなかった東芝が4対1で勝利。シーズン初戦を白星で飾った。

先発として粘投を見せた河北将太

 エイジェックの先発は、ルーキーの河北将太がマウンドに上がる。立ち上がりこそ苦戦するものの、回を追うごとに状態を上げ、この日の最速は148キロをマーク。「東芝打線も時期的にまだ直球押しの方が良いかなと」と岡島颯と策を練り試合に臨んでいた。

 中盤から好投を見せていた河北だったが、七回に東芝の9番・岡部祐太に投じた直球が甘く入り、打球は無情にも右翼席に突き刺さるソロ本塁打。河北は「あの1球が試合を決めてしまった。反省です」と顔を歪めた。

 勝利した東芝は、新人の齊藤大輝、下山悠介がクリーンアップとして機能。投げては藤村哲之が9回124球の熱投で完投勝利を収めた。一方敗れたエイジェックは東芝を1年目から支える技巧派の前に、6回以降は二塁を踏むことができず、攻撃に課題が残る一戦となった。

エイジェック打線を寄せ付けず完投勝利を収めた東芝・藤村哲之

 敗れたエイジェック難波貴司監督は、「さすが王者という試合展開だった。こういうチームと戦った時に、うちのチームの若さが出てしまう。そこは挑んでいく中で修正をしていかなければならない。ただ相手に隙がないとは言っても、ミスは必ず出るので、いかにそういうところを突いていけるのかを追求したい」と、次戦からの課題を語った。

 また先発したエイジェック・河北は「立ち上がりがあまり良くなくて後悔が残っている。失点している回については自分の技術的なところが足りていないのか、メンタル的なところなのかは今後詰めていきたい。(ホームランを打たれたのは)ストレート、少し抜けてシュート回転気味になってしまった。あの1本が、最終的に試合を決定づけてしまった。ただ、四回からカーブを使い始めたはじめたことで緩急をつくれたのは、強豪相手にも使える組み立てだったので収穫。今後も試合の中で、さまざまな収穫と反省を積み重ねていきたい。次戦の登板までにもう一度調整から心技体を整えてマウンドに臨み、チームの勝ちに貢献したい」とコメントを残している。

 試合の最後にマウンドを託された鶴田克己は「与えられた機会に全力で応えられたのは良かった。チームとして投手陣が豊富な中で最初にいい形で入れた。リリーフでの登板だったので全力で放ることだけ考えていた。(マウンドでは明るい表情が見えたが)意識はしていないが、オープン戦とは違う公式戦の緊張感の中で投げられるのが、本当に楽しく、そう気持ちが内から出てしまう。次の登板でも自分の持ち味をしっかりと出し、全力で投げ抜きたい」と自身の投球を振り返った。

初戦から登板機会を得たルーキーの鶴田

 チーム野手最年長となる内田靖人は「調子自体は悪くはないです。ただ初回のチャンスで4番に回ってきたあの局面は打たないといけなかった。次はチャンスを一振りで仕留めたい。(東芝先発藤村投手は)チェンジアップがすごく良くてみんな苦戦した。変化球に外の出し入れをする制球があり、手が出ないケースが多かった。ただチームの雰囲気としては決して悪くないと思うが、良くも悪くも若いチームなので空回りしないよう、次の試合に向けて準備したい。自分自身は2安打出たが打点がないので、ランナーがいる場面で1本出してチームを勝利に導挽きたい」と、次の試合へ向けて意気込みを語ってくれた。

 惜しくも初戦を落としたエイジェックは、明日7日に大田スタジアムで王子と対戦する。

◆試合結果
3月6日 神宮球場
東    芝 101 000 200=4
エイジェック 100 000 000=1
(東芝)藤村-中村
(エイジェック)河北、安藤、高野、谷地、竹内、鶴田-岡島、山村
二塁打:エイジェック/内田(四回)、東芝/齋藤(七回)・中村(八回)
本塁打:東芝/岡部(七回)