エディオンスタジアム広島ラストイヤーとなる2023年シーズン。サンフレッチェ広島は開幕3戦は未勝利と苦戦したものの、3月8日のルヴァン杯・横浜FC戦で初勝利を挙げてからは好調を維持している。

 ここではサンフレッチェ広島OB・吉田安孝氏に、開幕からここまでのサンフレッチェを振り返ってもらい、今シーズンの展望を熱く語ってもらった。

(データは全て3月7日の取材時点)

今シーズンから背番号が『8』に変わった川村拓夢。満田誠と共に期待が高まる選手の一人だ。

◆キャンプでのトレーニングが存分に発揮された開幕3試合

 いよいよ2023年シーズンが開幕しました。ここまでサンフレッチェ広島はリーグ戦を4試合、ルヴァン杯を1試合戦い2勝1敗2分の成績です(3月13日時点)。ラストイヤーとなるエディオンスタジアム広島で行われた開幕戦(2月18日・札幌戦、△0-0)、そして新潟戦(2月26日、●1-2)、アウェイで戦った横浜FM戦(3月3日、△1-1)はいずれも勝利とはなりませんでしたが、キャンプで取り組んできたことがしっかりと現れた試合になっていたと思います。

 特に札幌戦の前半は、相手にほとんど何もさせなかったという意味でもパーフェクトな展開だったといって良いでしょう。決めるべきチャンスはあっただけに、仕留め切る勝負強さの重要性を、改めて感じた開幕3戦だったと思います。ただ昨シーズンから引き続き、見ているこちらもワクワクする、面白い試合をしてくれるのではないかという期待感は高まっていますね。

 新潟戦は残念ながら1-2で敗れてしまいましたが、前半で失点するまでは非常に素晴らしい試合運びでした。ただ、1失点した後の流れは、この試合の反省点ではないかと思います。先制された後に、流れが一気に相手に傾いてしまいました。そうした流れをピッチに立っている11人で修正する必要がありましたが、あの試合では上手くいかなかったように感じられました。しかし、ハーフタイムに監督の指示を受け、後半にフォーメーション変更があってからは一気に流れが変わりましたね。それはそれで素晴らしいことではありますが、もっと良いチームになっていくためにも、ピッチ上の選手たちだけで試合をコントロールできる力がついてくれば良いのではないかと思います。

 これは非常に高度なレベルが必要となる話なのですが、だからこそ、それができれば、より良い、強いチームになるのではないかと感じました。

 そんな新潟戦では、チーム今シーズン初ゴールも生まれています。クラブJ1ホーム通算750得点、エディオンスタジアムでの通算700得点目というメモリアルなゴールを決めたのは塩谷司でした。思い切り振り切るというよりもポンと当てるような、塩谷らしい、見事なゴールだったと思います。

(後編につづく)

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