◆ポジションの子どもたちの『憧れの存在』を目指して

インタビュー中の三橋選手。オフは買い物に出かけてリフレッシュしているという。

 昨シーズンまでのチームの特徴は、「どの選手がどのポジションでもプレーできる」というところでした。

 一般的には、攻撃を防ぐためにコートの真ん中に背の高い選手を起用して、ボールを奪ったら速攻を仕掛ける……など、チームによって得意な戦術、目指す戦術がある程度固まっています。

 ただメイプルは、基本的には誰がどのポジションでもプレーすることができるので、得点パターンのバリエーションが多いところが強みの一つでした。対戦相手からすれば「どんなプレーをしてくるか分からない」ので、やりづらさを感じさせることができていたのではないかと思います。今シーズンは監督も代わり、また新たなチャレンジをしていくことになると思うので、私自身もすごく楽しみにしています。

 私のポジションはライトウイング(以下、RW)といって、コートの右サイドが主戦場です。RWは「左利きの選手が多いポジション」だと言われているので、右利きの私は、日本ハンドボールリーグの中でも珍しいタイプのプレーヤーだと思います。

 RWとして本格的にプレーするようになったのは大学の頃からでした。RWは左利きの選手が有利であることは知っていましたし、それまでは別のポジションでプレーをしていたので、まずはRWとしての体の動かし方や使い方を考えるところから始まりました。右利きの私がRWとして結果を残すためにはどうすれば良いのか。考えながらトレーニングを重ねるうちに、RWの面白さに目覚めていったような気がします。RWを含むDFのポジションは、相手チームのエースと対峙するポジションでもあります。私は選手としては身長が低い方ですが、機動力や運動量を活かして相手を阻止できた時は、やっぱり気持ちが良いですよね。どれだけ相手のエースを阻止できるか。そうした私のプレーにも、ぜひ注目してもらいたいなと思います。

 私自身も日々試行錯誤をしている最中ですが、ジュニア世代には私と同じように「右利き×右サイド」でプレーしている子どもたちが多く、そういう子どもたちに「目標にしています」と言ってもらえるのはすごくうれしいです。まだまだ研究中ですが、そういう子どもたちに憧れてもらえるような存在になっていきたいと思います。

《プロフィール》
三橋 未来 (みつはし・みき)
1996年3月2日生、東京都出身
東京女子体育大在籍中に春季リーグで4季連続優勝を果たし最優秀選手賞を受賞。2018年からイズミメイプルレッズに加入し、現在は主将を務めている。

【 イズミメイプルレッズ 】
1993年にイズミハンドボール部として創部し、1994年から日本ハンドボールリーグに参入。創部3年目でリーグ初優勝を果たすと、1998年からは3連覇を達成。2004年には女子史上3チーム目となる四冠 (日本リーグ、実業団選手権(現・社会人選手権)、全日本総合選手権(現・日本選手権)、国体)を成し遂げた、強豪女子ハンドボールチームである。

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イズミメイプルレッズは、広島県のスポーツコミッション『スポーツアクティベーションひろしま』(通称:SAH)が展開する、広島横断型スポーツ応援プロジェクト・Team WISHに参加中! SAHでは広島県のスポーツを幅広く取り上げたWEBマガジンも公開。
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