出会って以来18年の付き合いとなる新井貴浩氏と石原慶幸選手。
お互いに若手だった低迷期から共にカープを支え続け、2008年からは敵同士としてもしのぎを削った。新井氏がカープ復帰後は互いにベテランとして3連覇に貢献。
公私共に親しく、3歳違いの兄弟分である2人が出会いからお互いの良さ、カープへの思いまで……とことん語り尽くしていく!(2020年掲載記事を再編集)
─ お互いに長くカープでプレーされていますが、そんなお二人だからこそ思う『カープの良さ』はどんな部分ですか?
石原:そうですね、僕が一番感じているのは黒田さんと新井さんがチームを離れて、また帰ってこられましたけど、実績、年数や経験すべてを兼ね備えた方がチームのために戦えて、チームのために犠牲になれる。そういうところがカープの良さだと思います。
今できている、できていないではなく、その気持ちを持っていたからこそ、3連覇につながっていった部分が大きかったと思います。『カープの良さ』という答えに入っているかどうかは分からないですけど、そこはすごいなと思う部分ですね。
新井:僕が思うカープの良さというのは、いつも言っていますけど家族的なところだと思います。チームに温かさがありますよね。世間ではプロ選手って、よく個人事業主と言われるし個人の集合体と言われますけど、今のカープというのはそういう空気感がありませんよね。僕らの若い頃は雰囲気が少し違いましたからね。
もちろんプロですから個々の力が大事になってきますけど、カープはそういう空気感だけではなく、言ってみれば家みたいな感じですよ。カープという大きな家にみんながいるという感じかな。石原という選手の家があって、キク(菊池涼介)という家、(鈴木)誠也という家があって、それらが隣同士に並んでいて仲が良い、ではないんですよ。みんなが大きな屋根の下で1つになって住んでいるというようなイメージですよ。だから家族という表現をするんですけどね。