連覇を目指したルヴァン杯ではまさかのグループステージ敗退となるなど、苦しい試合が続いたサンフレッチェ。リーグ戦上位進出・天皇杯突破に向け、昨シーズン同様、夏場での浮上にも期待が集まっている。
ここではサンフレッチェOB・吉田安孝氏に、試合のキーマンとなる選手、印象に残ったゴールを熱く語ってもらった。
(データは全て6月6日の取材時点のもの)
◆チームを救う大迫のビッグセーブ!ユース同期・川村の圧巻ゴールも炸裂
守備の面では、大迫敬介のビッグセーブに救われたシーンがいくつもありました。
大迫はキリンチャレンジカップ2023(6月15・20日に開催)の日本代表にも選出されましたが、広島でも、代表でも、年々存在感を増してきているように感じます。
今シーズンに限らず、大迫が危ない場面でチームを救った試合はいくつもあります。ストライカーがハットトリックを達成するのももちろんすごいことですが、それと同じくらい、大迫のビッグセーブの数々には価値があると感じています。これからの日本代表としての活躍も期待して応援したいですね。
川村拓夢が京都戦(6月4日、○3-1)で決めたゴールも素晴らしいものでした。
試合最終盤の時間帯で、ボランチの位置からゴール前までドリブルで上がり、シュートに持ち込む。これぞ川村の本領発揮といったプレーです。
川村は自分でゲームをつくり、ボールを動かし、相手選手にボールが渡れば刈り取って、最後はフィニッシャーにもなれる、一人3役以上の働きができる稀有な選手です。これは彼の技術の高さ、フィジカルの強さ、豊富な運動量があればこそ可能になることです。
例えば遠藤航(シュトゥットガルト)のようなデュエルに強い選手や、鎌田大地(ACミラン)のような攻撃的センスに長けた選手はいますが、その全てでトップクラスのプレーができる選手は多くはありません。さらに川村は身長も高いという、フィジカルの強みも持ち合わせています。まだまだポテンシャルを秘めた選手ですから、これからますますチームにとって欠かせない存在になっていくのではないでしょうか。