長打が魅力の“将来の4番候補”として、ドラフト2位でカープに入団した内田湘大。 球団から与えられた背番号は、カープで『出世番号』とも呼ばれる“63”。 “元気”をモットーに取り組む姿勢は、自身はもちろん周りをもポジティブに導く。 一軍昇格に向けて、必死にバットを振り続ける18歳の思いに迫る。(取材は6月上旬)
◆自らの持ち味である長打力を武器に挑むプロ1年目
─入団して約半年が経ちました。プロの生活には慣れましたか?
「最初は全然慣れなくて大変だったのですが、今はルーティーンもできて、少しずつ慣れてきたのかなと思います」
─入団後、合同自主トレや春季キャンプを過ごされましたが、初めてプロの選手と練習をしてみていかがでしたか?
「高校とは違い、野球一色の生活で、周りの選手も自分よりレベルの高い選手ばかりで毎日勉強と言うか、吸収することが多くて、濃い生活を過ごせました」
─特に日南キャンプは、1カ月間みっちり野球漬けというのが初めてだったかと思います。体力的にはいかがでしたか?
「最初はしんどくて、最後までついていけるか不安だったのですが、気合いで乗り切りましたね(笑)」
─二軍のキャンプでは、松山竜平選手など実績あるベテラン選手もいるなかで、感じたことなどはありましたか?
「松山さんの打撃は本当に衝撃的で、バットを軽く振っているだけなのに簡単に飛ばしていて飛距離がすごくて……。自分はフルスイングしてもそこまで飛ばないので、やっぱりすごいなと思いました」
─キャンプを終え、3月12日に行われたヤクルトとのオープン戦では、ルーキーのみなさんがマツダスタジアムで紹介され、試合にも出場しました。マツダスタジアムで、ファンのみなさんがいるなかでプレーしてみていかがでしたか?
「緊張し過ぎて、打席のなかでずっと足が震えていました(苦笑)。良い体験をさせてもらって、『またここでやりたい、戻ってこないといけない』と思いました」
─この日、新井貴浩監督からどんな声をかけられましたか?
「新井監督からは、『3球三振でも良いから思いっきり振ってこい』と言われました」
─初球から振っていましたね。
「すごいボール球でしたけどね(苦笑)」
─その後、ウエスタン・リーグが開幕し、スタメン出場の機会も多くあると思います。ここまでを振り返っていかがですか?
「結果はまだまだ全然ついてきていないのですが、日々少しずつ成長できているのではないなかなと思っています」
─内田選手といえば、高校時代、投手と主軸打者として活躍し、長打力というのが注目されていました。今はどういうことに重点を置いて取り組まれていますか?
「最初の1カ月は結果がついてこなくて、どんどん小さくなって、自分の持ち味である長打力とか、自分らしさが全然出せていなかったと思いました。今は強く振ることを意識し、持ち味である長打力を出していけるように取り組んでいます」
─二軍では連日コーチ陣から熱心に指導を受けていますが、印象的なことなどはありましたか?
「東出(輝裕)コーチには守備面を特に見てもらっていて、打撃面では(新井)良太コーチに、熱心に教えていただいています。いろいろ課題はあるのですが、良太コーチからはとにかく振ることが大事で『小さくなるな、大きく振れ』と言われています」
中編へつづく
●内田湘大(うちだ しょうだい)
2004年9月22日生まれ、長野県出身 183cm/88kg/右投右打/内野手
利根商高ー広島(2022年ドラフト2位)