10月7日(土)に2023-24シーズン開幕戦を迎える広島ドラゴンフライズ。昨シーズンからゲームキャプテンを任され、今シーズンはさらにチームを牽引する覚悟が増した寺嶋 良。『勝負の年』と位置付け、目指すは優勝のみ。チームリーダーとしての自覚が増した屈指のPGに今シーズンにかける思いを聞いた。

寺嶋 良は今シーズンもゲームキャプテンとして、ゲームメイクの中心選手となる。

◆「きっとみんながキーマンになると思います」

—まずチームについてお伺いします。今シーズン新たに、ロバーツ・ケイン選手や山崎稜選手が加入し、中心選手の一人であった 直人選手が移籍されました。メンバーが変わってきたと思いますが、チーム自体の仕上がりはいかがですか?

 「ディフェンス面がかなり強化されてきているのを感じます。昨シーズンの課題であったディフェンスを鍛え、それをさらに改善しながら戦おうとカイル・ミリングヘッドコーチ(HC)から言われていますので、みんなの意識も高まっています。ですから、昨シーズンよりもディフェンスの完成度が高いと感じており、今年は特にその部分がチームの武器になってくるのかなと思います」

—例えば、開幕を100とすると、今のチーム状態はいくつくらいだと感じていますか?(取材は9月5日)。

 「昨シーズンの今の時期は、たぶん40くらいだったと思います。でも今年はすでに、60〜70くらいは仕上がってきていると思います。あとは細かいプレーやポイントをすり合わせながら、高めていくことが必要ですね。戦術や個々の役割に対する意識的な部分はとても良くできてきましたので、基礎的なフィジカルを強くしていくことも大切です。昨シーズンよりもアグレッシブに、体をフルに使ってディフェンスをしていくためには、もっとフィジカルを強くしていかないといけません」

—では、今年のドラゴンフライズは、基本的にディフェンスのチーム。徹底した守りからリズムをつくって攻撃に移っていくというスタイルになりそうですね。

 「そうなると思います。HCの方針も、まずはディフェンス力を高めることに重点を置いていますから、しっかり守って攻撃に移るというチームになってくると思います」

—10月7日の開幕まで、あと1カ月ほどになりました。そこまでに個人はもちろん、チームとしてもこれから追い込んでいく頃合いでしょうか。

 「そうですね。開幕で全開100パーセントに持っていかなくても、試合の中で成長していけば良いとも思っています。きっと開幕に合わせて状態を完璧に持っていくのは難しいと思いますので、それに近づけていく期間だと思っています」

—昨シーズンはリーグ4位、そして初のチャンピオンシップ(CS)出場を果たしました。今シーズンの目標も、やはり優勝ですよね。

 「もちろん優勝を目指しています。昨シーズンはチームとして初めてのCSに出場できましたので、今年はさらに上。地区優勝、CS優勝を目指してチーム全員で頑張っていきます」

—優勝のキーマンとなる選手は誰だと考えていますか?

 「きっとみんながキーマンになると思います。辻さんが抜けて、周囲からは戦力が落ちたんじゃないかと心配していただいていますが、僕はそんな風には思っていません。戦力が落ちたというのは、一人でその負担を埋めようとするからです。
たとえば一人で500円を出して負担するのではなく、みんなで50円ずつ出し合って500円にすれば良い、それがチームというものだと思うんですよね。チーム全員が1つでもレベルアップすれば、50円を出すことだって問題なくできるはずです。そうすることで、辻さんが抜けた穴をしっかりと埋めることができると思いますし、そういう経験をすることによって、さらに個々が成長できます。
たしかに、大きな選手が抜けてしまったのは事実ですが、逆にこれはチャンス。良い機会なんじゃないかなと思っています」

広島ドラゴンフライズの開幕戦は、10月7日(土)15:35〜 vs FE名古屋(枇杷島スポーツセンター)

⚫️寺嶋 良(てらしま・りょう)/1997年10月23日生、東京都出身。洛南高−東海大−京都ハンナリーズ(2019-2021)−広島ドラゴンフライズ(2021〜)。一瞬でトップスピードまで持っていけるスピードを武器に、PGとしてゲームを組み立てる。3Pシュートの正確性も持ち合わせ、内外問わず攻撃を仕掛けていく。9月23日に開幕する杭州アジア大会の日本代表として選出され、アジアを舞台に活躍を期待されている。

広島アスリートマガジン10月号は、「新井カープの結束力」シーズン終盤に差し掛かり、監督初年度を堂林翔太選手と藤井彰人コーチのインタビューで振り返ります。また広島ドラゴンフライズは、いよいよ2023-24シーズン突入!今年度もキーマンとなる寺嶋良選手に、優勝への思いを伺いました。