2023-24シーズンの第2戦を控え、ゲームキャプテンを任され、今シーズンはさらにチームを牽引する覚悟が増した寺嶋 良。『勝負の年』と位置付けた2023-24シーズンに目指すは優勝のみ。チームリーダーとしての自覚が増した屈指のPGに今シーズンにかける思いを聞いた。

見ている人の心を少しでも動かせるようなプレーを目指し、寺嶋は今季に挑む

◆序盤から優勝まで駆け抜けていく

—今年は昨年までの辻選手の役割を、寺嶋選手が担ってチームを引っ張っていくんですね。ミリングHCは、何よりもコミュニケーションが大切だとおっしゃっていますが、外国人選手も多いチーム内でのコミュニケーションは増えましたか?

 「オフコートでも、朝会った時とかには、昨日何をしてたの? 何食べたの? といった簡単なコミュニケーションを一言でも増やすよう意識しています。試合中は、まず選手の動きやすいプレーを聞き出すことを大切にしています。しっかりと意見を聞くと『そっちの方やりやすいのか』というような意思疎通ができ、それに合わせたプレーが展開できます。HCとのコミュニケーションも、作戦の中で僕が一番動きやすい方法を聞いてくれ、それに沿った戦術を立ててくれたりもします。僕は右手は得意ですので、得意な右手を活かせるような一連のプレーを基に、HCから僕へ、僕からチームへと、戦術が落とし込まれるようなコミュニケーションが取れていると思います」

—昨シーズンは59試合の出場、今シーズンまずは60試合フル出場を目指していると思いますが、目標を教えてください。

 「個人的な目標として、記録はもちろん大事ですが、記憶に残るような、記録よりも記憶に残るプレーを一つでも多くしたいです。見える数字よりも見えない数字というか『寺嶋は頑張ってるな』と思ってもらえるようなプレーをたくさんしたいなと。それが結果的に無駄なプレーとなったとしても、見ている人の心を少しでも動かせたら良いなと考えています。同時に、やはりチームを勝たせなければいけない、チームを背負わなきゃいけないと思っているので、チームの勝ちにはこだわっていきたいです」

—バスケットボール・ワールドカップの開催や、日本代表の躍進など今最も注目されていますから、記憶に残るプレーというのは、より多くの人を魅了しますね。

 「でもやはり、日本代表に残れなかったのは悔しかったです。あの舞台で、僕も本当にプレーしたかったです。だから代表チームの活躍を100パーセント素直に応援をできないのは正直なところなのですが、それでもやはり、日本代表が勝って本当にうれしかったですね」

—ワールドカップが終わると、9月下旬からは中国でのアジア大会。そして10月7日にいよいよシーズンが開幕します。初戦は名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(昨シーズン3位)との対戦です。

 「初戦で勝っていくことで、チームとして勢いに乗れると思います。前半戦からしっかりと勝ちを積み上げて、その勢いに乗ったまま、優勝まで駆け抜けていきたいと思っています。これまでプロバスケットボールを見たことのない方、ずっと応援をして頂いている方、一人でも多くの方にアリーナまで足を運んでいただき、ぜひ熱い声援をよろしくお願いします」 

広島ドラゴンフライズの第2戦は、10月8日(日)15:35〜 vs FE名古屋(枇杷島スポーツセンター)

⚫️寺嶋 良(てらしま・りょう)/1997年10月23日生、東京都出身。洛南高−東海大−京都ハンナリーズ(2019-2021)−広島ドラゴンフライズ(2021〜)。一瞬でトップスピードまで持っていけるスピードを武器に、PGとしてゲームを組み立てる。3Pシュートの正確性も持ち合わせ、内外問わず攻撃を仕掛けていく。9月23日に開幕する杭州アジア大会の日本代表として選出され、アジアを舞台に活躍を期待されている。

広島アスリートマガジン10月号は、「新井カープの結束力」シーズン終盤に差し掛かり、監督初年度を堂林翔太選手と藤井彰人コーチのインタビューで振り返ります。また広島ドラゴンフライズは、いよいよ2023-24シーズン突入!今年度もキーマンとなる寺嶋良選手に、優勝への思いを伺いました。